つながる ページ32
「あのふたり、付き合うんですかね」
「犯罪としか思えませんね」
「水城さん、泣いちゃいますよ」
水城さんと、はーちゃんと名乗る女性が帰っていって、部屋には神谷さんと私だけになった
神谷さんに会えて、安心して、気がついたら神谷さんのお家で
そこから水城さんが来るまで ぱったり記憶はなかった
ただ、ずっと辛かった寝不足が一気に解消されてたこと
神谷さんが手を握ってくれることが やっぱり落ち着いてしまうこと
記憶をなくしている間に20時間も過ぎてたことが認めたくないくらい衝撃だった
…………仕事休みでよかった
「立ってないで座ったら」
「んッ」
後ろから手が回る
ずっと欲しかった温もりに、顔が赤くなるのがわかる
「私も、帰らないと……」
「偽物だったとしても離すわけないだろ」
お腹に回された手に力が入って 後頭部に顔が寄せられた
神谷さんが居てくれることに、幸せと恥ずかしさが入り交じって頭の中はごちゃごちゃだ
「……自分から勝手に消えたくせに」
「Aだって、会いに来なかっただろ」
「体よくフェイドアウトしたかったのかなって、
……しつこくして神谷さんに嫌われたくなかったんです」
「あなた、本当に偽物なんじゃないですか」
「さっきから、その言いがかりなんなんですか」
"Aが素直だと調子狂うだろ"と、失礼なことを言いながら
神谷さんは少しだけ目元を緩めた
あ……
私の好きな表情だ
胸の奥から好きな気持ちが込み上げて、胸がきゅっと狭くなった
すみだ署で再会したあの時みたいに、
いろいろ頭で考えてたのに 結局"好き"しか出てこない
「今から言うのは俺の我が儘だけど」
体がゆっくり神谷さんの方に向かされて
真面目な瞳と目が合った
「Aが居ないのは耐えられない」
一瞬では 理解できなかったけど
「この手を離すのは辛かった」
「神谷さん」
私も、辛かった
離れてみて改めて気付かされた
どれだけ神谷さんが大事か
どれだけ愛しく思ってたか
頼られたいと思ってたし、自分でも驚くくらい に私は彼を頼りにしてた
「ずっと、傍に居て欲しい」
真剣に伝えられた言葉は、今までされた告白が全て嘘だったみたいに するりと心に居座った
「神谷さんこそ、偽物なんじゃないですか」
恥ずかしくなってはぐらかしてしまう
「茶化すんならこのままシますよ」
「お風呂入ってないもん！嫌です！」
真っ赤になった私を見て 神谷さんは満足げに笑っていた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 280人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はむ(プロフ) - 李珈☆しおんさん» うれしい言葉をありがとうございます！リクエストいただけただけで幸せなのに♪こちらの方こそありがとうございました(*^^*) (2019年12月24日 20時) (
レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
李珈☆しおん(プロフ) - リクエスト受けて頂いてありがとうござます。素敵なお話してでした！ はむ様の神谷さんがすごく好きなので嬉しいです。ありがとうございました。 (2019年12月22日 14時) (レス) id: a26ca4d7b2 (このIDを非表示/違反報告)
はむ(プロフ) - 李珈☆しおんさん» リクエストありがとうございます！私なんかで良いのかと思いつつ、めっちゃ嬉しいです(* >ω<)ちょっとお時間いただきますが、必ずアップしますね！ (2019年12月19日 0時) (レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
はむ(プロフ) - 美佳さん» ホントですか！？よかったです(*ToT)毎度の事ながら変に脚色したくなってすみません！リクエストうれしかったです！どうもありがとうございました(^^) (2019年12月19日 0時) (レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
李珈☆しおん(プロフ) - 私もリクエストいいですか？ 神谷さんか夢主さんのどちらかが体調不良で看病するみないなお話をお願いしたいです。あとは、はむ様にお任せな感じで大丈夫でしょうか？ 可能な範囲でお願いします。 (2019年12月18日 11時) (レス) id: a26ca4d7b2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はむ | 作成日時：2019年10月22日 8時
