番外編:どーやんにとっての事件の終わり ページ18
ずっと、こうしていたかった
いっしょにこれからも時を刻んで……
でも、心を決めないと
傾いてきた陽に、タイムリミットを知らされる
「黒島さん……全部、教えてくれませんか」
「何をですか？二階堂さん」
「あなたのことが好きだから、本当のことが知りたいんです」
少し考えた様子の黒島さんが、きれいにひとつ微笑んだ
「ほんとうの私を知っても、受け入れてくれますか」
あぁ、これは、毒だ…………
そう、頭のなかでは解るのに、僕は頷くことしか出来なかった
、
、
目の前の彼女は何を言っているのだろう
誰をどのように手にかけてきたか、嬉々として話す姿に呆然とする
"好きなの。人を殺すのが" なんて
明らかに常識からは外れることを言っている筈なのに
あまりに普通に話すから、自分の方が感覚がずれているんじゃないかと思わず疑ってしまう
「私は人を殺すことを愛してるの。止められないの」
「黒島さん……」
「人を殺すことが悪いって、頭ではわかってる。でも、寿命で死ぬか、誰かに殺されないと、私は一生やめられない」
正直 理解はできなかった
初めて好きになった人の、知りたくなかった現実
「二階堂さんが、止めてくれる…………？」
「何を、言ってるんですか…………」
「内山は私を線路に突き落としてくれたよ？」
「僕にはそんなこと、できません」
「なら、私と翔太さん殺そっか」
手塚、さんを…………？
また、じわりと毒が廻る
「私のこと好きなら、私と同じ種類の人間になってよ」
あぁ、神谷さんの言った通りだ
彼女を信じるためには、それ相応の覚悟が必要だ
「僕は黒島さんを殺せませんし、人を殺せるような種類の人間にもなれません」
「二階堂さんは、私のこと……」
「でも、このままあなたが罪を重ねていくのを見ていることも辛いんです。だから…………」
ポケットからワイヤーを取り出して、黒島さんに渡した
浮田さんも児嶋さんも、死因は絞殺だったから、これだけあれば十分だろう
「あなたの気持ちの赴くままに、僕を殺してしまってください」
ワイヤーを手にして、黒島さんは恍惚の表情を浮かべていた
自分の首にワイヤーが回される
冷たい感触に身震いした
番外編:どーやんにとっての事件の終わり→←番外編:どーやんにとっての事件の終わり
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 280人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はむ(プロフ) - 李珈☆しおんさん» うれしい言葉をありがとうございます！リクエストいただけただけで幸せなのに♪こちらの方こそありがとうございました(*^^*) (2019年12月24日 20時) (
レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
李珈☆しおん(プロフ) - リクエスト受けて頂いてありがとうござます。素敵なお話してでした！ はむ様の神谷さんがすごく好きなので嬉しいです。ありがとうございました。 (2019年12月22日 14時) (レス) id: a26ca4d7b2 (このIDを非表示/違反報告)
はむ(プロフ) - 李珈☆しおんさん» リクエストありがとうございます！私なんかで良いのかと思いつつ、めっちゃ嬉しいです(* >ω<)ちょっとお時間いただきますが、必ずアップしますね！ (2019年12月19日 0時) (レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
はむ(プロフ) - 美佳さん» ホントですか！？よかったです(*ToT)毎度の事ながら変に脚色したくなってすみません！リクエストうれしかったです！どうもありがとうございました(^^) (2019年12月19日 0時) (レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
李珈☆しおん(プロフ) - 私もリクエストいいですか？ 神谷さんか夢主さんのどちらかが体調不良で看病するみないなお話をお願いしたいです。あとは、はむ様にお任せな感じで大丈夫でしょうか？ 可能な範囲でお願いします。 (2019年12月18日 11時) (レス) id: a26ca4d7b2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はむ | 作成日時：2019年10月22日 8時
