本気か建前 ページ9
「A、ゆっくり休むんだよ？」
「ありがと、カナミ。ごめんね？」
桜木ちゃんと藤井先生が出ていった後
頭の処置やら検査でバタバタになった
ようやく病室に戻れる
念のためと車椅子に乗せられて、病室前で下ろされる
「夜勤はカナミ？」
「そうだよ。急変とかホント勘弁してよね」
「はいはい」
「あと、夜のバイタル取れる？」
「それくらいなら、いけると思う」
「悪いけど、それだけお願いね？」
夜勤はやっぱり忙しいからかカナミはすんなり戻っていった
なんだかすごく疲れた…………
体が休息を求めてるんだ
「戻りました」
神谷さんに一声かけてゆっくりベッドに向かおうとする
不貞腐れて居るのだろうか
全く無言の患者 神谷
「あの、なんか、怒ってます？」
ベッドに座って項垂れてるけど…………
すくっと急に立ち上がる
近づいてきたと思ったら強い力で引き寄せられた
目の前には、Tシャツの青
きつく包まれる感触に なんだか落ち着いて目を閉じた
「…………………………………。」
「…………………………………。」
とくん、とくん、
規則正しく響く音に、あぁ、私、生きてるんだな………って、当たり前のことに気づいたり
さらりと髪が撫でられた
包帯の上を神谷さんの指がそぅっと ゆっくりなぞってく
まるで、大事にされてるように感じて、きゅっと胸が狭くなった
「俺が居ながら、すみません」
「神谷さんのせいでは……」
「あなたを護ると決めたのに」
「え………」
そんな風に思ってくれてたの？
そう思うと、うれしさと恥ずかしさがごちゃ混ぜになって
彼の胸元に顔を押し付けた
「顔、見せて」
「や、です………」
「いいから」
「だめだってば………」
絶対赤くなってるから、ホントは絶対見られたくない
でも………
優しく頬に手を添えられたら抵抗なんかできない
「本当に、無事なんだよな」
見上げた先の神谷さんは今にも泣いてしまいそうな顔をしていた
「はい。無事、です…………」
頭は痛むし、怠くて直ぐにでも横になりたい
こんな目に遭っちゃったし、正直無事でもなんでもないけど
神谷さんの顔を見たら、これ以上心配させたくなかった
「ベッド、行こう」
手を優しく引かれて誘導される
優しいな、神谷さん
気を遣ってくれてるんだ
いつも無理するなって言ってるもんね
直ぐにでも横になりたいの、気づいてくれてたんだな
言われる通りにベッドに座ると、後頭部を支えながらゆっくりと横たえられた
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はむ(プロフ) - 涼嶺さん» うれしいコメントありがとうございます！ラストスパート頑張りますね！お話も終盤で暗めですが、後もう少し付き合ってもらえるとうれしいです(^^) (2019年10月20日 1時) (
レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
涼嶺(プロフ) - とても楽しく読ませて頂いてます！これからも頑張ってください！ (2019年10月20日 0時) (レス) id: 9bbe7fe112 (このIDを非表示/違反報告)
はむ(プロフ) - 明里香さん» ありがとうございます！ (2019年10月11日 7時) (レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 後戻りができないの話、誤字がありました。「それはだけは」ではなく、「それだけは」です。 (2019年10月4日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
はむ(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます！助かります！ (2019年10月3日 17時) (レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむ | 作成日時：2019年9月16日 0時
