番外編:眠れぬ夜は ページ20
「さあ、包み隠さず吐きなさい」
「いや、なにも隠してないです」
肩をガッツリ押し付けられて、事情聴取が始まった
「夜中、もぞもぞ動いてるよね。あれ、眠れなくて落ち着かないってことでいいかな」
「違います。寝相、悪いタイプで……」
「そう。…………の割には、昼寝中、全く動いてないでしょ」
「それは、昼寝じゃないからじゃないですか？
ほら、考え事！してるんですよ！」
私を見つめる刑事 神谷
この人 職業病なんじゃないの
テレビで見るやつとおんなじじゃん
「考え事、ですかね……」
「そうですよ。最近よく考えるし？」
スウェットのポケットから携帯を取り出し
なにやら操作中の神谷氏
「こんな映像があるんだよね」
「ちょっと！なんで撮ってんの！？」
めっちゃぐうぐう言ってる
神谷さんの見せつけたスマホには昼寝中の私の動画が
しかも、裏で神谷さんの圧し殺した笑い声まで
「最低！消してくださいよ！」
「どう見ても、これは寝てるよね」
「盗撮で現行犯逮捕でしょ！！」
「そんなもんは知りません」
スマホを奪おうと手を伸ばすけど、素早くあっさり避けられる
この人 手使えないって嘘じゃない！？
めっちゃ携帯操作してたし！
「消してください！」
「嫌ですね」
「うぅ〰️！！！」
もう！腹立つなあ！
「いいじゃないですか、かわいいんだから」
「どこが！？ぐうぐう言ってるよ！？」
「なんか、いぬのイビキとか可愛いですよね」
「い、犬！？」
もはや人間ですらない！
「ほら、撫でてあげるから機嫌直して」
「ペット扱いホントにやめてください」
なにやら考え込む神谷さん
「俺をペットだと思ってもいいですから、夜は添い寝で寝たらいい」
「頭おかしくなったんですか」
さんざん考えてなに言ってんだか
「暗いと怖くなるんでしょう」
う…………
やっぱりバレてたんだ
刑事の勘はばかにできない
消灯で電気が消えると怖くなって、あまり、夜は眠れていない
もともと眠るの大好きだけど、昼間眠いのは完全にそのせいだった
「入院でリズムが崩れてるんです。怖い訳じゃないんで」
「嘘がバレバレすぎですね」
見透かすような目線に鋭く射抜かれてしまう
この人に隠し事は出来ないな
彼に少しだけ甘えたくなった
「怖い、ですけど、さすがに添い寝は無理です。だから……」
ちょっぴりベッドを移動させて、お互いの手が届く位置にした
暖かい神谷さんの手のお陰で、眠れることに感謝した
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はむ(プロフ) - 涼嶺さん» うれしいコメントありがとうございます！ラストスパート頑張りますね！お話も終盤で暗めですが、後もう少し付き合ってもらえるとうれしいです(^^) (2019年10月20日 1時) (
レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
涼嶺(プロフ) - とても楽しく読ませて頂いてます！これからも頑張ってください！ (2019年10月20日 0時) (レス) id: 9bbe7fe112 (このIDを非表示/違反報告)
はむ(プロフ) - 明里香さん» ありがとうございます！ (2019年10月11日 7時) (レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 後戻りができないの話、誤字がありました。「それはだけは」ではなく、「それだけは」です。 (2019年10月4日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
はむ(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます！助かります！ (2019年10月3日 17時) (レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむ | 作成日時：2019年9月16日 0時
