容疑者 ページ16
「うわあ……、かみやん これじゃあストーカーじゃん」
「さすがにちょっと引きますね」
Aの仕事復帰、一日目が無事に終了した
俺は自分のリハビリと入浴時間を除き、ひたすらAが行く病室の前で護衛に当たっていたわけだが
最後の最後で手塚とどーやんに見つかり、現在激しくディスられている
「別にストーカーではありません。ボディガードをしているだけです」
「どこかで聞いた台詞なんですが」
「かみやんさあ、あのとき襲われたついでに変なDNA植え付けられてきたんじゃないの」
「ハッ……全く笑えませんね」
あのベテランストーカーと同立にされて堪るか
"菜奈ちゃ〰️ん、かみやんがひどいよう"とか甘えた声を出す35歳は面倒だから相手にしない
4人で夕飯を広げながら、普段と変わらない夕食のはずだが
「いい加減 機嫌治してくださいよ」
Aは不貞腐れながら、一言も言葉を発しない
「仕方ないでしょう。許可を出したのは師長です」
膨れっ面をしながらも、俺が食べるペースを確認しつつ無理なく食事を運ぶA
Aのとっさの判断で、俺は"職場見学の神谷さん"という真っ赤な嘘の餌食になったが
そのあと直ぐに、師長へ報告
直々に連れて回れと命令が下ってしまったのだ
涙目で、なじるように見つめられれば、さすがに罪悪感も沸く
だが、ひとりにしていて何かあったら、それこそいくら後悔しても立ち直れない
自分のバックに巨大な力があることを、これ程良かったと思ったことはない
「そりゃあ、四六時中付いて回られたら、さすがにAちゃんも嫌だよねえ」
「…………私は仕事をちゃんとこなしたいんです」
職業病を拗らせるくらいだ
その気持ちも分からんでもない
「あなたが仕事を大事にするのは、重々承知しています
だから、仕事の邪魔にならないように、よっぽどのことがなければ、病室の扉より中には入りません」
「……………絶対ですか」
「絶対です」
涙目ですがるように見つめる彼女に、また、胸が騒ぎ出す
耐えきれなくて手を伸ばした
柔らかな髪を撫でれば、さっきまでしっかり怒っていたのに、とろんと目を細める彼女
そんな姿に苦しくなる
堪えられない自分が恨めしい
どんどん離れられなくなってしまう
「ほら、肉をあげるから許してください」
「私をなんだと思ってるんですか！？」
このままでは、あなたに触れたくなってしまうから
こうしていつもの軽口を叩きながら、自分をごまかしていくしかない
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はむ(プロフ) - 涼嶺さん» うれしいコメントありがとうございます！ラストスパート頑張りますね！お話も終盤で暗めですが、後もう少し付き合ってもらえるとうれしいです(^^) (2019年10月20日 1時) (
レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
涼嶺(プロフ) - とても楽しく読ませて頂いてます！これからも頑張ってください！ (2019年10月20日 0時) (レス) id: 9bbe7fe112 (このIDを非表示/違反報告)
はむ(プロフ) - 明里香さん» ありがとうございます！ (2019年10月11日 7時) (レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 後戻りができないの話、誤字がありました。「それはだけは」ではなく、「それだけは」です。 (2019年10月4日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
はむ(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます！助かります！ (2019年10月3日 17時) (レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむ | 作成日時：2019年9月16日 0時
