それぞれの岐路 ページ7
「なにか、あったの…………」
ようやくそれだけ絞り出した
ぼんやり見える桜木ちゃんが、がくりと下に座り込む
「A、私、…………もう、だめなの」
立っているのが辛くなって私もずるずる座り込んだ
「痛いでしょ……手……。手当てしなきゃ、だめだ」
「痛、い…………」
桜木ちゃんの手を包み込む
小さく震える彼女の手
「私、ダメなこと、いっぱい、いっぱいしたけど、A…………ずっと、友達でいてくれる？」
「うん」
「ずっと、ずっと、待っててくれる？」
「ずっと、ずっと、待ってるよ」
ダメなことって何かとか、どこかにいったりするのかとか、全く頭は働かないけど
桜木ちゃんが大事な友達ってことは、私の中では確かだった
「私が元カレにフラれたとき、朝まで怒ってくれてたよね」
「懐かしい。股 間蹴りあげたら泣いてたアイツ」
「何、それ。知らない」
顔を見合わせてフフっと笑う
働きはじめたばっかりの頃、怒られて慰めあったりとか、困った患者さんにファイトを挑む桜木ちゃんを止めたりしたのを…………思い出しては笑った
「桜木ちゃん……」
「るりちゃぁ〰️〰️ん」
扉の外から 気が抜けるような声が聞こえた
「君にだけ任せておけないよ〰️」
「藤井、先生…………？」
「開けて。俺も…………」
「藤井先生…………！」
「俺も、Aちゃんを！脅すから！！」
「…………………チッ！！」
え？何？
私、これから脅されるの？
「君だけ悪者にはさせない！俺も………」
「あんの………クソ眼鏡………」
ゆらりと立ち上がって、桜木ちゃんが扉の方へ向かう
藤井先生が悲鳴をあげたのと、桜木ちゃんが鍵を開けたのは同時だった
「これは、どういうことですか…………」
扉を開けた先にいたのは、首根っこをひっ掴まれた藤井先生と
怒りが駄々もれの神谷さん
これまた怒り心頭の桜木ちゃんが、つかつか二人に近づいて
「だから、私、言ったよねえ？先生はァ、クズなんだからァ、自分で何とかしようとすんなって！！！」
「ヒイィィィ！！ごめんなさぁぁぁぁい！！！」
神谷さんに首根っこを掴まれ、桜木ちゃんには髪を掴まれ
藤井先生、不敏極まりない
「いだあぁぁ！！！」
「Aさん！」
神谷さんがいきなり手を離したせいで、おもいっきり髪を引っ張られる藤井先生
てか髪をつかんで男を持ち上げてるとか 桜木ちゃんのポテンシャルが怖い
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はむ(プロフ) - 涼嶺さん» うれしいコメントありがとうございます！ラストスパート頑張りますね！お話も終盤で暗めですが、後もう少し付き合ってもらえるとうれしいです(^^) (2019年10月20日 1時) (
レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
涼嶺(プロフ) - とても楽しく読ませて頂いてます！これからも頑張ってください！ (2019年10月20日 0時) (レス) id: 9bbe7fe112 (このIDを非表示/違反報告)
はむ(プロフ) - 明里香さん» ありがとうございます！ (2019年10月11日 7時) (レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 後戻りができないの話、誤字がありました。「それはだけは」ではなく、「それだけは」です。 (2019年10月4日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
はむ(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます！助かります！ (2019年10月3日 17時) (レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむ | 作成日時：2019年9月16日 0時
