二人の職業病患者 ページ8
「申し遅れましたが、私すみだ署の水城と申します」
「初めまして。名字Aです」
「Aさん。目が覚めて本当によかった。あなたの勇気ある行動のお陰で、うちの神谷は救われました」
「あ、いえ…………とんでもないです」
「あと、もう一歩遅ければ…………俺は、こいつに、もう二度と…………」
初対面の相手を前に泣き出す水城さんと
男泣きを始めたおっさんにオロオロする名字A
俺は水城さんの優しさにほんの少しのくすぐったさと
ちゃっかりと彼女を名前呼びしやがった事実に結構な苛立ちを感じ始めた
「グスっ…………すみませんね。こんな姿をお見せして」
「いえ、ご無事で、本当によかったです…………」
名字Aはと言えば、気がついたら例のスイッチが入っていて
涙するおっさんの背を優しく撫でながら、宥めるように声をかけている
ちょっと目を離すとすぐこれか
名字Aはなかなかに面倒な女性だ
「本当にありがとうございます。あなたに直接お礼を言えてよかった…………！」
とうとう彼女の手を握りだしたオヤジに俺の怒りは静かに燃えた
「神谷もこう見えて、毎日あなたをし…………」
「いい加減にしないと捻り潰しますよ」
「恐ッ…………手負いになっても態度でかいよ〰️
…………まぁ、あんまり言うとこいつも恥ずかしがりますんで」
そう言ってパッと手を離す
俺は名字Aの手の救出任務を完了した
、
、
場所は変わって病院の面談室
名字Aを警備に任せて、捜査の進捗状況を教えてもらうことにした
捜査状況を知りたいのが大部分を占めるが、あのまま病室に居られても面倒だ
「残念ながら、昨日から新しい情報は出てないな」
「まだ足取りは掴めませんか…………」
「公園の防犯カメラには写ってたんだが、一度人混みに紛れちまってどう探しても出てこない」
「内山は筋金入りのストーカーでしたから、思いを寄せている黒島の側から離れるようなことはしないと思いますが…………」
あの危険な男が野放しになっているかと思うと心底背筋が凍えた
内山は相当危険な男だ
人を殺めることに躊躇がない
殺害自体を楽しんでいる風ではないが、目的のためならなんでもしそうだ
しかも その目的が解らないときている
いつ新たな被害者が出てもおかしくない状況だ
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はむ(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます！ (2019年8月31日 9時) (
レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「大を占めるが」ではなく、「大部分を占めるが」です。 (2019年8月30日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「ベッドの上での再開」ではなく、「ベッドの上での再会」です。 (2019年8月30日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
はむ(プロフ) - ななみさん» ななみさん 応援コメントありがとうございます！うれしいです！更新続けられるようにがんばりますね(^^) (2019年8月28日 11時) (レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
ななみ - はむさん！頑張ってください！ 応援しています！ (2019年8月27日 23時) (レス) id: 3f5cfa4750 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむ | 作成日時：2019年8月22日 23時
