重なる想い ページ49
「え？か、神谷さん！？」
目の前にはどアップの神谷さん
ま、また、キスの餌食に…………
私はいったい何してたんだ
不思議な紙を見つけたと思ったら、手塚さんが来て、警察が来て
その辺りから、また曖昧だ
【あなたは無理するなと言っても、きっと無理をするんでしょう】
頭の中に直接響く
【事情聴取の間だけ。その時だけ頑張ってきてください】
ふわりと気持ちが軽くなって
【俺に会ったらあなたは素直になる。いっぱい泣いて、吐き出して、そうしたら、…………戻ってきて】
夢かどうかは分からないけど、たぶん事情聴取には行ったんだろう
前もその時の記憶がないし
「A、…………好きだ」
「……………………………。」
「ほら、ちゃんと聞いてるんですか」
不機嫌な神谷さんに鼻を摘ままれる
「俺はあなたが好きだと言ってるんです」
「え？……………新たなイタズラですか？」
「俺は、真面目に言ってるんですよ」
やだ、こ、困るよ…………
だって
「私、誰とも付き合う気は…………」
「ええ、それは知ってます」
「なら…………」
「全てを終わらせることができたら、改めてあなたに伝えます」
断らなくちゃいけないのに、どうしても それを言えなくて
私だって、分かってる
藤代さんにはちょっと迫られただけで嫌だったのに、神谷さんには違うこと
触れられても、キスされても、ホントは嫌だと思ってないのは
私だって彼のこと…………
「俺にとってあなたは、ひとりにしておけないかわいいひとなんです」
きゅうっと胸が切なくなった
「仕事に馬鹿になるのも含めて、俺はあなたが好きですから」
目の前がボヤけていってしまう
やだ
ど、どうしよう
ぽろぽろ涙が止まらない
あんな手痛い目に遭ったのに
手を取りたい私が居る
「ゆっくり気長に待ちますよ」
「……………はい」
「キスより先は我慢します。大変不本意ではありますが」
え？
「それってキスは……」
「するでしょうね」
「…………………………………。」
イケメン故の自信なのか
私がガチで嫌だったらどうするのだろう
相変わらず真顔の神谷氏
「人前でだけは止めてください」
目を見開く彼を直視できなくて、そのままベッドに潜り込んだ
きっぱりさっぱり断れないのは、きっと、そういうことなんだ
きゅうきゅう高鳴る胸を押さえて、私はきつく目を閉じた
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はむ(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます！ (2019年8月31日 9時) (
レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「大を占めるが」ではなく、「大部分を占めるが」です。 (2019年8月30日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「ベッドの上での再開」ではなく、「ベッドの上での再会」です。 (2019年8月30日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
はむ(プロフ) - ななみさん» ななみさん 応援コメントありがとうございます！うれしいです！更新続けられるようにがんばりますね(^^) (2019年8月28日 11時) (レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
ななみ - はむさん！頑張ってください！ 応援しています！ (2019年8月27日 23時) (レス) id: 3f5cfa4750 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむ | 作成日時：2019年8月22日 23時
