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「ふ…………嫁が俺にヤキモチか」
「止めろ。俺のメモリーを汚すな」
てめえじゃねえわ!
架空の女だ
こんなゴツい野郎との関係を疑われるなんざ甚だ不本意だわ
今日も研究室に足を運んで来たサトシ
営業部長様がこんなに暇で良いのかねぇ
「いや、暇ではないぞ」
「読心術かよ…………恐ろしい野郎だな」
デスクの前に椅子まで移動させて座ってんだ
明らか暇じゃねえか…………
と思いたいところだがな
「まあ、感情の機微が出て来たんなら てめえに骨抜きになる日も近えか」
「あいつのことをそういう風に言うんじゃねえ」
「てめえが言い始めたんだろ。…………なあ相良。てめえが本気になる女なんて珍しいしな…………一度会ってみてえ」
「いやだね」
目を見開くサトシを一瞥する
俺の取り越し苦労であって欲しかったがな…………
「なんだ。もう独占欲か…………お互い依存関係になってもよくねえぞ。一度俺が会ってみてやるから」
「あいつに会ったところで情報は何も出ねぇぜ」
「…………………………………………………………。」
この反応でまるわかりだ アホが…………
俺なりに信頼していたんだがな
「Aはようやく感情が分かり始めてきたところだ。社の事情に巻き込むんじゃねえ
アホ社長と結託して何企んでるかは知らねえが…………あいつを傷つける気なら、いくらてめえでも許さねえぜぇ………………次期社長様よォ……」
明らかに焦りが見えるサトシに 俺の嫌な予想が的中しちまったことを突きつけられた
「安心しろよ…………あの家で仕事なんざしてねえし、Aに仕事の話ももちろんしてねえ。毎日心配して見に来なくても、あんな怪しい状況で情報曝すほどアホじゃねえよ」
「………相良、場所を」
「悪ぃがなァ、ここほど安全なところはねえぜ。一度盗聴機が出たからよォ…………野郎共の素性を含めてガチで管理してるからねぇ…………」
この間社長秘書として部署移動させてやった田上、気をつけた方が良いぜぇ…………他社の息がかかってるからなァ
蒼白になったサトシに舌打ちをひとつ
ダチだと思ってたのは俺だけだったのかよ
「アホ社長が何かを企んでるのは薄々気付いていたが、まさかお前ぇにまで会社の道具として使われてるとは思わなかったよ」
「誤解だ 相良」
「もう信用してねえよ…………
俺が忠義を尽くすのも寝返るのも、そっちの出方次第だとあのアホに伝えておけ」
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はむ(プロフ) - 蛇姫さん» 蛇姫さま 2回目のコメントありがとうございます!スッゴくうれしいです!鬱展開でもお付き合いくださってありがとうございます!ゆっくりですががんばりますね(*^^*) (2019年3月27日 1時) (レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
蛇姫(プロフ) - 作品読ませてもらってます。心が温まります!相良さんの優しい雰囲気がすごく好きです。作者さんのペースで更新頑張ってください!応援してます (2019年3月25日 11時) (レス) id: c00677cd65 (このIDを非表示/違反報告)
はむ(プロフ) - 青菜さん» 青菜さま うれしいです!私もいただいたコメント何度も読み返してしまいました!ゆっくり更新で申し訳ないですが、これからもよろしくお願いします!! (2019年3月3日 15時) (レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
青菜 - めちゃくちゃ好きで何度も最初から読み直してます。更新大変だと思いますが頑張ってください! (2019年3月2日 23時) (レス) id: dec0cd6493 (このIDを非表示/違反報告)
はむ(プロフ) - 蛇姫さん» 蛇姫さま 楽しみにしていただけてうれしいです!なかなか今回は書くのが進まないので、コメントすごくありがたいです! (2019年2月27日 23時) (レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はむ | 作成日時:2019年2月16日 21時