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サトシと別れて家に帰る
時計をみると0時を回っていた
あぁあ
こんな遅くなっちまって
もう寝てんだろうな A
起きてりゃあ出迎えてくれるかな なんて淡い期待は打ち砕かれ
気配はないのになぜか明るいリビングに向かう
いやいや…………
なんで床だよ
一瞬心配で駆け寄るも 規則正しい呼吸に安堵した
それにしても
こいつはまた泣きやがって…………
ひとり残して出掛けるのも考えものだな
前に見たあどけない寝顔とは違って 苦し気に寄せられた眉に
締め付けられる心
大事な思い出にまで苦しめられるなんて
かわいそうにな
…………つーか大事な思い出ってなんなんだ
あのときは気にもしなかったが
もしも野郎との思い出だったら………………
痛み出した胸に気づかない振りをして
そっと頬を撫でていた手を離す
風邪引かねえようにベッドに運んでやろうとしたときだ
一瞬グッと腕を掴まれ
1拍置いて胸にドスっと衝撃が走る
「相良さん………………」
耳に入った悲痛な声に
今の衝撃が Aが俺に抱きついてきたものだと
やっとのことで理解した
なんて声出しやがる
俺の方が押し潰されちまいそうだ
俺の胸板にぎゅうぎゅうと顔を押し付けてくるAを
あやすように抱きしめた
何があった
なんでそんなに体を震わせて…………
聞きたいことはたくさんあるが まずはAを落ち着かせてやりたい
いつもより少し抱きしめる腕に力を込める
大丈夫だ A
例えお前ぇが思い出に苦しめられても
俺が居てやるから
ずっと居てやるから
だから もう
ひとりで泣くな
徐々に力が抜けていくAを見て
大事な女が戻ってきたことに安堵した
だから全くの不意打ちだった
「………………あたたかいです」
ポツリと落ちた言葉に目を見張る
俺の胸に顔を埋めていたAがゆっくりと顔を上げた
涙に濡れた頬やうるんだ瞳に
時が止まったみてえだ
「こうされると、胸が…………あたたかくなる気がします…………」
Aの瞳から
ポロリと一粒涙が落ちた
初めてだ
負ではない感情が
Aの口から紡がれるのは 初めてだ
じわりと胸に込み上げる
熱い 思い
よかったな
よかったな A
ようやく 少し 近づいたじゃねえか………
Aをきつく抱きしめた
心の隙間を埋めるように
きつく
きつく
長く
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はむ(プロフ) - 蛇姫さん» 蛇姫さま ２回目のコメントありがとうございます！スッゴくうれしいです！鬱展開でもお付き合いくださってありがとうございます！ゆっくりですががんばりますね(*^^*) (2019年3月27日 1時) (
レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
蛇姫(プロフ) - 作品読ませてもらってます。心が温まります！相良さんの優しい雰囲気がすごく好きです。作者さんのペースで更新頑張ってください！応援してます (2019年3月25日 11時) (レス) id: c00677cd65 (このIDを非表示/違反報告)
はむ(プロフ) - 青菜さん» 青菜さま うれしいです！私もいただいたコメント何度も読み返してしまいました！ゆっくり更新で申し訳ないですが、これからもよろしくお願いします！！ (2019年3月3日 15時) (レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
青菜 - めちゃくちゃ好きで何度も最初から読み直してます。更新大変だと思いますが頑張ってください！ (2019年3月2日 23時) (レス) id: dec0cd6493 (このIDを非表示/違反報告)
はむ(プロフ) - 蛇姫さん» 蛇姫さま 楽しみにしていただけてうれしいです！なかなか今回は書くのが進まないので、コメントすごくありがたいです！ (2019年2月27日 23時) (レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむ | 作成日時：2019年2月16日 21時
