アルコール ページ34
宿舎に着いても無言で運転席を下りたオッパに慌てて助手席から下りて声をかける。
『……あの、オッパ、』
ごめんなさい、と謝ろうとすると、私の言葉を遮るようにしてオッパが喋った。
SC「いつもこんなことやらされてるのか?」
『……え?』
SC「会食。あんな奴らの相手ばっかりしてるのかって聞いてんの。」
『……ああいう人達ばかりじゃないよ。ちゃんとした会食もある。けど、』
中にはちゃんと仕事の商談という目的だけで会食をする会社もあって、楽しく食事ができることもある。
けれど、だいたい私だけが呼ばれる時はこういったことが多かった。
まぁさすがに無理やり酔わされて持ち帰られそうになったのは今日が初めてだけど。
『……ごめんなさい、黙ってて。でも、心配かけたくなくて……』
SC「心配かけたくない?相談しないことが一番心配かけてるのがわからないのか!?」
『……。』
SC「Aがこんな目に合わされて取ってきた仕事なんて嬉しくない!!Aのそれは、A自身のためにも、俺たちメンバーのためになってないってわからないのか!?」
自分でもオッパは私に甘いことを知っている。
メンバーには常日頃色んなことを怒ったりしているけれど、私には軽く注意するだけで、怒ることはしなかった。
でも今初めて、オッパに本気で怒られている。
『……ごめん、なさい。』
あんなに寛容なオッパをここまで怒らせてしまっていること、自分で防げれたことを結果的にオッパに守られてしまったことへの自分の不甲斐なさに、お酒の酔いも相まって涙が我慢しようと思ってもポロポロと溢れてしまう。
SC「……。」
『ごめん、絶対泣くことじゃないのに、ごめん。すぐ泣き止むから、待って。』
声を出さないように唇を噛んで俯いていると、正面からふわりと抱きしめられた。
SC「……ごめん。強く言いすぎた。ごめんな。A。Aが悪いわけじゃないのにな。Aが辛い思いしてたのに、オッパが気づいてやれなかったことが悔しかったんだ。ごめん。」
オッパの優しい声とオッパの使っているコロンの香りがふわっと香って、余計に涙が出てきてしまって。
泣き止むまでの数分間。ずっとオッパは抱きしめてくれた。
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さとみ - 返信ありがとうございます。そうなんですね。楽しみにしています。ありがとうございます^_^ (2022年6月8日 0時) (レス) id: 6a24770046 (このIDを非表示/違反報告)
seola(プロフ) - さとみさん» こんにちは!返信がびっくりするくらい遅くなってしまって本当にすみません、、、出演作品は特に決まっていないのでご想像にお任せします!と言いたいところなのですが、そろそろ続編に移行するので続編後の簡単なプロフィールに出演作品を載せようと思います! (2022年6月6日 3時) (レス) id: af1403e9e5 (このIDを非表示/違反報告)
さとみ - こんにちは。はじめまして。いつも楽しく読ませて頂いてます。主人公がどんな作品に出たのか知りたいです。 (2022年3月27日 13時) (レス) id: 6a24770046 (このIDを非表示/違反報告)
まやら(プロフ) - まさかのスンヨン!?次が楽しみ〜! (2022年3月26日 17時) (レス) @page37 id: 018566a257 (このIDを非表示/違反報告)
seola(プロフ) - 優さん» ブイラでゴセ見たこと無かったので気づかなかったです……ありがとうございます助かりました(泣) (2022年1月24日 20時) (レス) id: af1403e9e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:seola | 作成日時:2021年12月13日 3時