crazy in love【呪術廻戦】

16話 ページ18

釘崎「この人が、あの、螢光院A？」


真希「なんか、イメージと違うな……」


『え、私どんな女だと思われてたの？』


釘崎「もっと古風な、常に和装で大和撫子みたいな女かと……」



真希「私は戦闘狂かと……」




『古風な女はまだ分かるけど戦闘狂はなんかやだな』




螢光院という名前のせいというのが一番ではあるが、表立って活動していない分、本当のAを知っている人はほんのひと握り。


名前と本当かどうかもわからない噂だけが一人歩きして、今では様々なイメージを持たれていることが多い。


中には強すぎる術式に、螢光院Aは実在しない。螢光院家が作り上げた偶像だと言う人までいるのだから、本当のAを知っている人からすれば爆笑ものだろう。


逆に良すぎるイメージを持っている人間もいる。そんなAに別のイメージを持っていた人が一人。



『……ん？ねぇ、あなた…』



ふと目が合った狗巻の元にAが近づく。




狗巻「！？！？お、おおおおおおか、おか、おか」



真希「おい棘、バグってんぞ。」



近づかれた狗巻は慌て始めて今にもショート寸前。


もはやおにぎりの具すら言えていない狗巻の口を隠すように出来ている服をじっと見つめると、やっぱり、と呟いた。




『…君、呪言師だよね。〈喋っても大丈夫だからさ〉、名前なんていうの？』



狗巻「……！！


……い、狗巻、棘。」




『へぇ〜棘くんか。うちの家系以外の呪言師に会うのすごい久しぶりだからさ。なんか、嬉しくなっちゃうね。』



狗巻「……！！！」



ニッコリと笑いかけるAに耳まで真っ赤にして顔から湯気が出そうなほど真っ赤になる狗巻。




『ここで会えたのも何かの縁だからさ、私になにか出来ることがあったら何でも言ってね。棘くん。』



狗巻「しゃ、しゃしゃしゃしゃ……」



パンダ「お、おい棘！！」





バターーンッ！！！！




ついに顔から湯気を出して白目をむいて倒れた狗巻にパンダが駆け寄る。


特に呪言はもちろんのこと、心理操作の術式を持っているAは、呪言師にとってAは全知全能の神様のような、雲の上の存在で。


Aは何気なく名前を聞いただけでも、狗巻にとって信仰していた神様から自分の名前を呼ばれて微笑まれたような感覚に脳が混乱しすぎてショートしてしまった。



『……私悪いことしちゃった？』




伏黒「してないですけど、狗巻先輩とはしばらく会わない方がいいですね。」

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