誰 ページ2
2人は吉本の家を後にし、チラシに書かれていた劇団の練習場所へ訪れた。
そこには...立花真希の姿があった。
それだけではない。
慎一が吉本荒野をクビにしようとした時に流したビデオの中で、田子雄大について語っていた教師3人組と同じ人物もそこにはいたのだ。
そして、彼女はこちらの存在に気づくと少し気まずそうな顔をした後
「あのさぁ...ご飯奢って？」
そして3人はレストランに来ていた。
餃子を頬張る彼女と、パフェを食べるA。
「ま、一言で言うと...全部嘘！」
「私の名前は水上紗良」
「清楚で、天然入った浅海舞香に、悲劇のヒロイン立花真希、どっちも演技。なかなか上手かったでしょ？」
彼女はスラスラと語り出す。
「で、貴方が知ってる田子雄大の過去もぜーんぶ嘘。」
「ごめんちゃい！許してくれる？」
真希、改め紗良に特に悪びれた様子はない。
そんな彼女に慎一は怒りを隠しながら聞きたいことを聞く
慎「...田子はどこですか？」
紗「さぁ？私も知らない。」
慎「しらばっくれるなよ。」
紗「本当だって。私だって今回初めて手伝ったんだもん！
...ていうか...会うのも8年ぶりだったし。」
黙々とパフェを食べていたAは「8年前」というワードに手を止めた。
慎「田子とあんたはどういう関係だったんですか？」
すると紗良は慎一に小声で
「カッター見えてるよ。」
と忠告したあと、本題に入り始めた。
紗「まぁ、殺したい気持ちは分からなくもないけど...全部君たちを思ってやったんだよ？」
慎「よく言うよ。家族を壊しといて。」
怒りながら言う慎一の返答に、紗良も怒りながら答えた。
紗「そっちこそ...私達のこと何も知らないくせに。」
『.........。』
紗「ずっとムカついてたんだよ。8年前の事があまりにも違うから。
吉本荒野が被害者だなんて許せない。
先生はそれでもいいって言ってたけど...私はそれじゃあ納得できないの！！」
慎「先生...?」
紗「田子雄大と私は教師と生徒。
ジサツした真田宗太は私の幼馴染だったの。」
紗「教えてあげるよ.....8年前の真相。」
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作者名：狂 | 作成日時：2020年9月13日 15時
