検索窓
今日:2 hit、昨日:6 hit、合計:7,705 hit

訪問 ページ1

吉本が沼田家を去り、Aが過去の記憶を思い出したその後、沼田家4人は無言でただひたすらに家を崩壊した。

家族が崩壊してからずっと沼田家の間に会話はなかった。

荷物を持って家を出ていく佳代子の姿を見ても誰も声を掛けない。

そんな風に、誰も誰に対しての興味も完全に示さなくなった状態の沼田家に飛鳥が訪れた。



万引きの写真に関して、何故学校の先生に渡さなかったと問われ答える飛鳥。
その飛鳥の吉本荒野を庇うような返答にイライラを募らせた慎一は嫌がる飛鳥に乱暴をする。
しかし、そのタイミングでちょうど帰宅したA。





3人の中で気まずい空気が流れる中、Aが口を開いた。






『お兄ちゃんは吉本先生の事が許せないからムシャクシャしてるの?』


慎一は何も答えない。


『...ねぇ、殺したいくらい先生の事憎いんでしょ?
ならさ...一緒に着いてきてよ。
ごめんね飛鳥ちゃん。お兄ちゃんには後日改めて謝らせるから、今はお兄ちゃんを貸して。』


そう言ってAは家を出た。
その後を、慎一は無言で追いかけた。









慎「なぁA、どこ行くんだよ。」


『吉本荒野の家。』


慎「なんでお前が知ってんの?」


『神楽さんに聞いたから。
でもお兄ちゃんは知ってたんだね。なら最初からお兄ちゃんに聞けばよかったな。
まぁでも、最後に神楽さんに会えてよかったけど。』






2人は吉本のアパートに着いた。


ノックしても返答はない。
鍵ももちろん閉まっている。


『先生はもう家を出たって神楽さんが言っていた。
行き先については彼も知らないって...。
でも、部屋に何か手がかりがあるかもしれないって代わりに合鍵をくれたの。まだ鍵交換は済んでないから使えるはずだよ。』


そう言ってAはポケットから部屋の鍵を取り出し、部屋を開けた。


部屋に入ると、もちろん中はもぬけの殻
しかし、部屋の隅っこに公共料金の請求書やチラシ類だけは何枚か置かれていた。


『契約者名も...吉本荒野なんだ...。もういないんだ。』


チラシ類を漁っていた慎一は、とある1枚の劇団のチラシに手を止めた。


そのチラシには立花真希が写っていた。
しかし慎一が手を止めた理由はそこでは無い。
立花真希の写真の下に...


『水上紗良.....』


と書かれていたからだ。

誰→



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (14 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
129人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2020年9月13日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。