満点星 (ページ39)

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またひとり

悲しませてしまった

でも現実だから

隠し通せるわけなかったから

nb「……涼太」

「ん…？」

nb「…もう頑張れない…？」

真っ直ぐな瞳で俺を見つめる

自分の心が折れかけているのは事実で

もうこのまま楽になりたい

そう思っていたのに

「…俺まだ頑張れるよ」

辛くて苦しい

なのに

nb「…無理すんなよ

本当は苦しくて辛いんだろ？

何で言わねぇんだよ……」

翔太には敵わないなぁ

「……治療やめたいって言ったら翔太はどうする？」

nb「………」

下を俯いてまた泣いてる翔太

「…ごめん、嘘だよ

俺まだ…」

nb「…辛い治療ずっと見てきた

頑張ってるのも知ってる

だから

俺もう涼太に”頑張れ”なんて無責任な言葉言えない…

言えねぇよ……泣」

なんて言えば良かった？

大丈夫だよ

頑張るから

そう言える自信は俺にはなかった

だから俺は

「ごめんね、翔太」

謝っていた

翔太は黙って病室から出て行ってしまった

誰もいなくなった病室には

無機質なモニターの音

酸素の音

自分の泣き声

響いていた