満点星 (ページ30)

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dt side

思ったより過酷だった

吐き気、発熱、倦怠感、手足の痺れ

ようやく生えてきた髪の毛もまた全部抜けてしまった

色々な副作用が俺を襲った

昨日も目黒が来てくれたけど、起き上がることも出来なかった

今日は昨日よりかは楽だったけど、倦怠感が酷かった

いつまで続くのだろうか

fk｢舘さん、大丈夫？｣

｢……ふっか、？｣

fk｢うん、来たよ

あと

翔太も連れてきた｣

久しぶりに聞く名前に心臓が跳ねる

｢…え、？｣

nb｢…久しぶり、涼太｣

｢…なんで？｣

nb｢来たくなったから、それだけ｣

相変わらず素っ気ない態度

だけど1ヶ月ぶりに聞いた声が俺を落ち着かせる

fk｢俺飲み物買ってくるから

何かあったら呼んでね｣

久しぶりというのもあって少しだけ緊張する

2人だけの空間になった

nb｢体調、大丈夫か？｣

｢…なんとか｣

nb｢…｣

翔太は何か言いたげな表情

｢……来てくれてありがとう｣

nb｢え？｣

｢…少しだけ寂しかった

翔太の声、聞きたかった｣

病気になってしまうと性格も変わるのか

前より我儘で貪欲になっている

求めてしまう

人の温もりを

辛いからだけじゃない

nb｢…ごめん

俺ずっと逃げてたんだ

涼太を失うのが怖くて

現実見るのが怖かったんだ

でも、もう俺逃げないから

ちゃんと涼太と一緒に向き合うから｣

”涼太と一緒”

その言葉がどれほど嬉しかったことか

｢ありがとう、翔太…｣

nb｢ん、｣

ありがとう

俺から離れないでくれて

軽蔑しないでくれてありがとう