満点星 (ページ19)

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ab side

舘さんが入院して1ヶ月経とうとしていた頃

放射線治療が終了して一時的に退院できるようになった

｢明日、退院だよね？｣

dt｢うん、一時的だけどね｣

｢明日は照が車で迎えに来てくれるって

他の7人は全員仕事なんだ、ごめんね｣

dt｢大丈夫だよ、頑張ってな｣

この頃にはもうほとんど歩けなくなっていて車椅子での生活が当たり前になっていた

dt｢阿部、少しだけ付き合ってくれる？｣

｢え？｣

そう言われて向かった先は病院の庭

舘さんを車椅子に乗せて2人で散歩

まだまだ寒くて上着が手放せない

そんな中でも

dt｢あ、蕾だ｣

｢ほんとだ！｣

桜の蕾がちらちらとなっていた

春が近付いているんだなぁ

dt｢…なぁ阿部

もし俺が死んだらみんなの事、よろしくな｣

｢…え｣

dt｢…俺の身体だから俺が1番よく分かっている

最近、左半身が痺れるんだよね
多分もうすぐ左半身動かなくっていく

明後日には放射線治療の結果が出る

きっとよくなってはいないはずだからさ…笑｣

そう言いながら少し笑う舘さん

｢…まだ分からないでしょ

そんな決めつけないでよ、諦めないって決めたでしょ？

舘さんはまだまだ生きなきゃだめだよ

みんな舘さんが戻ってくるの待ってるんだから｣

dt｢…桜早く満開にならないかなぁ｣

上を見上げる舘さんはとても儚くて少し触れたら消えてしまいそうだった