YG ページ25
シウのことをテヒョンが読み上げるのを聞きながらまとまりがつかなくなりそうになる頭を整理する。
「死んだ人間の記憶があるってことは、俺はシウの生まれ変わりなのか？ Aさんはユナの生まれ変わり？」
Aさんの姿がユナと重なり、自然と彼女に手を延ばしていた。
指先が触れた瞬間
俺はシウだった。
仲間のジュンギ、ユナと過ごす中で客観的に考える俺… ユンギもいる。
ジュンギ… 見覚えがあるような…
TH「ヒョン！ ヒョン！」
テヒョンの呼ぶ声に意識がハッキリしてくる。
ハッキリ… 俺はユンギだ。
SN「A！ A！」
ソヌさんがAさんを心配そうに呼んでいた。
２人一緒に夢を見ていたのか？
同じ夢なのか？
Aさんが目を覚ますのを待った。
JH「ユンギヒョンとヌナがボーッとしたと思ったら2人が手を延ばして、そしたら急に意識がなくなった感じになって、怖かったよ。」
いつも笑顔のホソクなのに本当に青ざめた顔をしていて、心配をかけたんだって思った。
「すまん、心配かけたな。」
ホソクの頭に手をやると微笑んでくれた。
SN「A！ わかるか？」
Aさんがうっすらと目を開けた。
A「ソヌ… 私… 」
Aさんはまだボーッとしていたけれど、同じ夢を見ていたか気になって声をかけた。
「ジュンギと一緒に飯食った？」
俺の言葉に目を丸くしてコクコクとうなずいた。
SN「どういうこと？」
「俺たち、今、同じ夢の中にいたんだと思う。」
TH「ヒョンとヌナ、手が触れたと思ったら夢の世界に行っちゃったんだよ。」
興奮したように言うテヒョンはさらに言葉を続けた。
TH「もう１回、手を繋いでみたら？」
SN「今、気がついたばかりで、体にどんな影響があるかもわからないのに…」
そりゃそうだ。心配するに決まってる。
JH「テヒョン、簡単に言うことじゃないだろ。」
テヒョンが罰の悪そうにシュンとした時
A「ユンギさん、テヒョンの言うとおり、手を繋いでみませんか？ユナのこと、シウのこと、知りたいんです。私やユンギさんに起こる出来事がどんな意味があるのかも。」
真っ直ぐに見つめる視線に頷くしかなかった。
ソヌさんが後ろから支えるようにAさんの肩に手をやった。
答えるように手を握る。
何も起きなかった。
無意識に緊張していたのか、ホッとして、目を合わせて笑った。
“守りたい”彼女の笑顔を見てそんな気持ちになった。
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作者名：はは | 作成日時：2023年8月14日 15時
