私 ページ18
HYBEのビルは大きいと思って見ていたけど、配達とはいえ自分が入るとは思わなかった。
厳重なセキュリティはさすがだった。
SN「このビル建てたのBTSって言っても過言じゃないらしいな。ホントに凄い奴らなんだな…」
ソヌもちょっと興奮気味、反対に私は緊張してきた。
案内されて着いた部屋の前で息を整える。
SN「こんばんはー!カフェ『クム』です!」
ソヌに着いて入るとホソクの顔があって安心した。
この前来た3人も楽しみにしてくれていたようで商品を見ながら騒いでいる。
会ったことのないメンバーをホソクが紹介してくれた。
ナムさんはリーダーらしくしっかりしていて落ち着いた雰囲気。
ジンさんは最年長らしいけど、そうは見えない若々しさで、とってもキレイな人。
JH「あと、ソファーで寝てるのがうちの次男、ユンギヒョン。」
えっ?
「ユンギ…」
こちらに背中を向け、ソファーで丸くなっている人を見つめる。
あの日、助けてくれた人の名前も“ユンギ”だった…
SN「A、知ってるのか?」
「いや、そうじゃなくて、あの日助けてくれた人と同じ名前だったから…」
JH「助けてくれた人って… やっぱりヌナだったのか…」
ホソクの言葉に説明を求めようとした時、ユンギさんが目を覚ましてこちらを向いた。
まだ寝ぼけているのかボーッと回りを見回す。
私と目があったとたんに驚いたように呟いた。
YG「ユナ…」
“ユナ”
その名前は…
息が苦しいほどの衝撃にめまいがする。
SN「A!」
ソヌが支えてくれて倒れずに済んだ。
JH「ヌナ!大丈夫?」
ホソクも慌てたようにソヌの反対側を支えてくれた。
JIN「ここに座って!」
ジンさんの用意してくれた椅子に座る。
なんだか、体に力が入らない…
RM「お水とってきます!」
騒ぎに気づいて皆が集まってきた。
TH「ヌナ!どうしたの?」
JM「顔… 真っ白だ…」
JK「ドクター呼ぶ?」
「ごめんね… 少し休めば大丈夫だから。」
そう答えた時、聞こえてきたジンさんの声。
JIN「ユンギ!どうしたの?」
私と視線を合わせたユンギさんの目から涙が溢れていた。
皆が注目する中、ユンギさんが語った言葉は耳を疑うものだった。
YG「ヒョン、思い出したんだ。俺はユナを探してた。ユナは… そこにいる。」
やっぱり、夢に出てきた彼はユンギさんだったんだ…
黙って頷く私を…
泣きながら微笑んだユンギさんを…
皆が黙って見ていた。
298人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はは | 作成日時:2023年8月14日 15時