８ 聴取 ページ8
俺達を残してどこかへ行ってしまったコンセイユ。
残された俺達四人の間に流れる、気まずい空気。普段は絶対にこんな空気にはならないのだが、知らない場所と緊張した雰囲気のせいで気まずくなってしまった。
「すみません、お待たせしまシタ」
この声をいくら待ちわびたことか。この気まずい空気を終わらせることができる唯一の人物が帰ってきたことに俺は平常心を保とうとしたが心の中では喜びで泣いていた。
戻ってきたコンセイユの手に乗っているお盆には五人分のお茶があった。それを全員に配り終えたコンセイユは俺達の前の椅子に座った。
「で、お話とは何でショウカ？」
楽しそうに目をキラキラさせるコンセイユ。その明るさに少し押されながら俺は質問を始めた。
最初に、患者リストの書類を見せて質問をする。
「この方達を知っていますね？」
「ハイ、知っていマス」
初めての聴取に興奮しているのかさらに目を輝かせている。少し困惑しつつも、俺は質問を続けた。
「彼らの病名は？」
「これと言った病名はありまセン。シカシ、ひどく幻視が見えるというのでいくつか薬を処方して入院させてイマシタ」
俺はそこでペンを止め、顔を上げる。相変わらず笑顔のコンセイユに俺は驚きと恐怖が混ざった奇妙な感情に陥った。
「病気がないのに、ひどい幻視……ですか？」
思わずひきつった顔になってしまったのが自分で分かった。目の前のコンセイユは少し悩みはじめ、少しだけ髭が生えている顎を触る。
「そこデス、問題は。私達も様々な病気と照らし合わせたのデスガ、幻視以外には彼らには異常がなかったのデス」
俺はコンセイユの今の言葉を一言一句逃さずノートに書きこんだ。隣でオルディナはボイスレコーダーで録音していた。
――相変わらず妙なところで気が利くな。
「彼らに処方していた薬は？」
「プラートルという精神を安定させる薬デス。かなり弱い物らしいデスガ」
「それは、貴方が？」
「イエ、doctorからの指示デス」
薬のことについて聞くと、彼はあまり知らないようだった。
知りたいことはだいたい聞いた。そろそろ帰ろうか。
「では、ありがとうございました」
「イエ、こちらこそありがとうございマシタ。捜査がんばってクダサイネ」
帰り際に子供の用に大きく手を振るコンセイユ。俺達は一度振り返ってその姿を見た後で、家である小さなマンションの一室に帰った。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキーアルファベット
X
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
エメラルド(プロフ) - 心の雨と虹の空さん» ありがとうございます！そう言っていただけてとても嬉しいです。これからも頑張ります！ (2018年1月18日 16時) (
レス) id: ab0197407b (このIDを非表示/違反報告)
心の雨と虹の空(プロフ) - 参加してくださりありがとうございます。すごく面白いですね！ 細かい動作や表情が丁寧に書かれていて、素晴らしい作品ですね。アドバイスがないくらい面白かったです。活動頑張ってください。あなたの作品、大好きですw (2018年1月18日 11時) (レス) id: 469d2368ce (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いさみ x他1人 | 作成日時：2018年1月9日 10時
