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それは正に地獄のような ページ1

黒崎Aは醜い。
悍ましい化け物のような顔をしていて、そのせいで15年間常に虐められていた。主にこの顔とこの太った体系のせいで。陰口なんてまだいい。酷い時は指を差されて笑われ馬鹿にされる。それは同級生だけではなく担任まで同じように笑ってい馬鹿ににしてたことも覚えている。

Aは思った。
世の中、所詮は顔ってことを。そして世の中の人間は糞な奴らばっかだと。クソ糞くそばっか。

たまに助けようとした正義感の強いクラスの中心みたいな子がいたけど、そいつはもっと糞だった。私を助けて自身の株を上げて、クラスのみんなにちやほやされたかったんだろう。そいつの目は私を馬鹿にしてたし。ああ、ほんと死ね。

ほんと死ね。みんな死ね。私を馬鹿にする奴らも、私を産んだ両親も、みんな死ね、死んじまえ。

世界が嫌いだ。人間が嫌いだ。自分が嫌いだ。

死ね、死ね、死んじまえ。

なんで気づかなかったんだろう。そうだよ、死んだほうが楽だ。15年もこの化け物の面で生きてやったんだ、もう死んでもいいよね、いいはずだ。来世は大層美人にしてほしい。

そうと決まれば行動は早くて、私は家から飛び出して隣接するマンションへと忍び込み屋上へと駆け込んだ。誰にも見つからなかっただろう。このマンションは10階だ。落ちれば必ず死ねる。なら死のう。早く死のう。

靴を履き捨て高いフェンスを越えて地上を見下ろす。

ああ、なんて汚い景色。なんて色のない世界。

一刻も早く死にたくて、遺書とかなんもなかったけど仕方ないよね。だって早く死にたかったし。こんな腐った世界から消えたかったし、ただただ死にたかった。

一歩足を踏み出して思う。
ぐんぐんと地面へと落ちながら心の中で強く願う。

願わくば、来世はえらい美人にしてくれ。

誰よりも何よりも馬鹿にされないほど、美しく可愛く私が今度は見下すほうへ。


『交換しよう?』


そんな可愛い声が地面に叩きつけられる前に聞こえた気がした。

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かなと - 編集画面の関連キーワード入力の下をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年7月15日 23時) (レス) id: 24467df71f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まはまは@みんく | 作成日時:2019年7月15日 17時

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