12話 ページ20
王騎が王宮から出ると、目の前に騰が立っていた。
王騎は、はーっとため息をつく。
目の前で思い切りため息をつかれたのに関わらず、騰は表情を変えることなく佇んでいる。
「何故貴方がここにいるんですか…」
騰は在瑠の見張りについているはずだった。少なくとも王騎はそう命じたはずだった。
「ハッ、のびていた男を片付けていました。」
自信満々で答える騰を見て、王騎の頭に?が浮かぶ。
何故男がのびているのか、なぜその男を処理しようと思ったのか…
「状況があまり理解できませんが……それはそうと在瑠はどうしたんですか?」
王騎は一旦、騰の言っていることを理解することを諦め、騰に課したはずの任務について尋ねる。
「在瑠なら蒙家の屋敷に」
「蒙家ですかァ?まったく、あの子はじっとしていられないんですかねェ」
在瑠は咸陽を楽しみにしていたので、咸陽の中を走り回っていると思っていた。
「蒙驁さんの所なら万が一ということは無いでしょうが…
それで貴方は、在瑠から離れたんですか?」
「ハッ、それもありますが在瑠が殴り飛ばした男の後始末をしておりました。」
在瑠が殴り飛ばした、その言葉を聞いて王騎の口から何度目かのため息が漏れる
あれだけ問題を起こすなと言い聞かせたのにも関わらず、咸陽でひと暴れするとは…
もはや王騎は、呆れを通り越して感心していた
「ここで話していても仕方がないですし、蒙家の邸へ行くとしましょうか。」
ハッっといつもどうりの完璧な返事がこだました。
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rei - あっという間に読み終えてしまうほど面白かったです。素敵な作品をありがとうございました。在瑠さんの成長した姿や桓騎将軍との出会いなど、とても楽しみにしています。 (2月6日 21時) (レス) @page34 id: 67473be8fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Alphecca | 作成日時:2023年3月16日 18時