検索窓
今日:5 hit、昨日:13 hit、合計:14,007 hit

10話 ページ17

遂にたどりついた咸陽

はじめに目が付いたのは、その活気の良さだった

父上は、現秦王の昭王に謁見するために来たらしく王宮へ行ってしまった。

そして私は咸陽を見て回ってもいいという許可を頂いた。

その際に言い付けられたのが「くれぐれも問題を起こすことがないように」ということだった。

普通に観光しているだけなら問題を起こすことなんてないだろう。と思っていた。

「うわーすごい。」
人が多すぎて人酔いしそうだな…なんて考えながら道なりに進む。

「!あれが噂の甘味処か〜」
私は生まれてこの方甘味処なんて行ったことがなかった。
行ってみたいし、甘いものは好きだし、でもあまりお金を持っていないし…

なんて店の前で考えていると

「あっあの、離してください!」
女の人の声が聞こえた。明らかに困ってそうだと思い、見てみると、何やら大柄の男の人と押し問答をしているようだ。

助けるべきではあるけれど、問題を起こすなという父上の声が頭の中で反響する。

「いや、ここであの男を殴っても悪いのは私じゃない。
だから、問題を起こしたのも私じゃない…」
ブツブツと一人で呟いて頭を整理する。

そして私は決心した。あいつを殴ろうと。

でも、流石にいきなり殴るのはマズいので、取り敢えず話しかけてみる。

「あのー、その手、離していただけますか?」
女の人の手を掴んでいる方の男の手首をぐっと力を込めて握る。

「っ邪魔すんなや」
男は私に睨まれていることに気づいたのか、少し怯んでから言った。

「見たところ嫌がって居るようですが…貴方はこの人の何ですか?」
猶も睨みつけながら話しかける。

「てめぇこそ、この女の何だよ!」

「私は、この人の何でもありません。ただの通りすがりですよ。」

私は、静かに冷静に答える。

「関係ねぇやつは引っ込んでろよ!邪魔なんだよ!」
男は、そう言って女の人を引っ張って行こうとする。

「だから離せって」

私がイラッとして男に言うと

男が手を上げた。

殴られる。

避けようと思えば避けられるが、私は避けなかった。

ドシンと頬に衝撃が響く。

「邪魔すんなって言ってるだろ!」

殴られたまま少しの間下を向いていると、そんな声が聞こえてきた。

これで此奴を殴っても正当防衛だ。殴る口実ができた。

「おい…だからその人を離せって言ってるだろうが」

男が丁度振り返ったところに顔面に拳を叩き込んだ。

男の体が吹っ飛び一撃で沈めることに成功した。

・→←9話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (26 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
93人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

rei - あっという間に読み終えてしまうほど面白かったです。素敵な作品をありがとうございました。在瑠さんの成長した姿や桓騎将軍との出会いなど、とても楽しみにしています。 (2月6日 21時) (レス) @page34 id: 67473be8fa (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Alphecca | 作成日時:2023年3月16日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。