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7話 ページ13

「父上」
王騎将軍の娘となった時に、父上と呼んでいいですよォ
と言われた。つまり呼べということだと思う。

「私も咸陽に連れて行って下さい」
明後日は先の戦の論功行賞が執り行われる。私は咸陽に行ってみたくて聞いてみた。

「いいですよォ。ても、論功行賞の間は外で待ってもらうことになりますよ。」
意外とすんなり許可が降りたので少し拍子抜けした。

「はい、もちろんです」
私は目を輝かせて答える。咸陽に行ける上、自由時間まであるなんて最高だ。

父上はそんな私を見てため息を着く。

「外で待っていると言ってもどこへ行ってもいいわけではありませんよォ」

「はい!」
私はそう言って部屋を飛び出した。

何故か先程より威勢の良くなった声に、王騎はまたため息をつく。

「騰、在瑠のことを見張っていてください。」

「ハッ、悪さをしないか見張っておきます。」

騰の少しずれた返事に王騎はココココと笑い、

「悪さをされないか見張るんですよォ」
と言った。





一方で私は走っていた。

「録嗚未!」
訓練場で仲のいい軍長を発見した。論功行賞の情報をくれたのも彼だ。

「在瑠、やったのか!」
私の嬉しそうな顔から判断したのだろう。録嗚未は私を見るなりそう言った。

「うん!」
私は元気よく答える。

「人生初咸陽、父上が論功行賞の間にいっぱい見て回りたい!」

「一人で回る許可まで降りたのか?」
録嗚未もそこまでは期待していなかったようで、驚いたように聞いてきた。

「一人で回るというか、論功行賞の間は外で待っておいて下さいねって」

「…それって、あんま動くなってことじゃないのか?」
録嗚未がもっともな意見を言う。

「大丈夫!」
そう元気よく答える私に、録嗚未は少し呆れながらも

「ま、咸陽はでかいし賑やかだから、いっぱい楽しむべきだよな。初めてなら尚更だ。」
と私のテンションを肯定してくれた。

「やっぱり?うわ〜ほんとに楽しみ!」
私がひとりで騒いでいると録嗚未が声をかける。


「それはそうと、手合わせでもするか?」
せっかく訓練場にいるんだしと録嗚未は続けた。

「いいの?」
私はまだここに来て日が浅かったので誰かと手合わせなんてする余裕がなかった。

怪我を治すのと暮らしに慣れるので大変だった。

「ああ、在瑠さえ良ければやろうぜ。
身体、動かさないと鈍るだろ。ただでさえ怪我で寝てたんだし。」
と録嗚未が誘ってくれた。


そうして

在瑠 VS 録嗚未の戦いが始まった

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rei - あっという間に読み終えてしまうほど面白かったです。素敵な作品をありがとうございました。在瑠さんの成長した姿や桓騎将軍との出会いなど、とても楽しみにしています。 (2月6日 21時) (レス) @page34 id: 67473be8fa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Alphecca | 作成日時:2023年3月16日 18時

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