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ヨンソと行ったバー、昼間はカフェ営業をしていて、オーガニックのコーヒー豆を売っているのでそれを買ってきた。
部屋での作業の合間にコーヒーを淹れることにした。
yg「Aも飲む?」
タブレットで本を読んでいるAに声をかけると、頷いた。
『ありがとう』
麻痺があって握力がないが、自助具をついたマグで器用に飲む。
『さっき、部屋からちょっと音聴こえてきたんだけど、ジャズ書いてるの?』
事故後できなくなったけど、大学のジャズサークルでバリバリドラムを叩いていたA。興味を示した。
yg「そう。この豆を買ってきた店で使ってもらうBGM」
『お店が曲頼むって、こだわってるね』
yg「昼間は会員制の意識高いコワーキングスペースだからな」
『そこ、行ってみたい』
yg「良いじゃん。ジニヒョンに言っとくよ」
『ユンギは?』
yg「忙しい」
……即答。
『いつも忙しい忙しいって、本当に仕事人間だよね。私に対しても仕事だから任せろって仕事仕事』
yg「ジニヒョンもそんなもんだろ?」
『ジンは昔からそうだったけど、ユンギは最近突然そうじゃん。どうしちゃったの?』
yg「まあ、お年頃ってやつ?」
『そんなに仕事脳だと彼女できないよー?』
憎たらしい笑顔。向かい側の壁にある結婚写真の中の、美しい姿勢で立って控えめに笑うAと一緒に、こちらを見てくる。
未練があるとか、ましては奪ってしまおうとか、そんなこと考えないけど、ここにいる限りこの人に構うのをやめられないんだろうなって思う。
『ヨンソさんとはどうなの?』
yg「は? あいつとは何とも、、」
『サシで毎週飲みに行って、何ともって。ユンギ、相当チャラ男だよね』
yg「ヨンソだってこっちのこと何とも思ってねえよ。それに、サシで飲みに行くだけで恋愛認定って……そうしたら大学生の頃の俺らもそうじゃん」
Aがコーヒーを飲む手を止めてこちらを見ながら目を細める。
yg「何?」
『それじゃあ、相当鈍感男だよね。こっちは内心期待してたのに……』
ゲホゲホ、
息を吸った拍子にコーヒーが気管に入ってむせた。。
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作者名:m0668476373 | 作成日時:2020年9月22日 22時