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ホームヘルパーの専門学校で仲良くなったヨンソと飲んでいた。
スロウテンポのジャズが流れるラウンジ。
sg「俺、そろそろアルコールいいかな」
ys「まだ9時だけど?」
赤ワインを豪快にあおりながら、ヨンソが笑う。細くて病弱そうに見える見た目からは想像のつかない酒豪。
sg「今日睡眠不足で昼寝してたら、カップ落っことして割ったんだよね。胸から下の感覚がないから、怪我してても気づけないのが一番やばい」
ys「心配な気持ちも分かるけど、あまりにも私生活を捧げすぎじゃない?」
sg「それも仕事の一部だから」
ys「本業はフリーランスの作曲家でしょ」
sg「それだけで食ってけるほどの才能はないんだ、生憎」
ys「専門学校通ってるのもさ、Aさんのためなんでしょ?」
sg「ヘルパーの資格持ってれば在宅介護に補助金出るから。その分は俺にくれるってヒョンが言ってた」
コーヒーじゃ結局眠れなくなると思ったから、ノンアルコールのカクテルを頼んだ。生のフルーツのスクイーズ。
ys「ジュース飲んでんの、死ぬほど似合わない」
sg「そうか?」
ys「やっと笑った」
顔を覗き込まれた。
ys「いつもに増して、神妙な顔してたよ。こっちが心配になっちゃうぐらい」
sg「他人のことまでよく見てるよな」
ys「あなたのAさんに対しての過保護さには及ばないけど」
ヨンソが呆れたように笑った。
ys「旦那さん何やってる人なの? 自分で看れないくらい忙しい人?」
sg「某通信会社の部長。時間に融通利かないからしょうがないんだよ」
ys「自分のせいでこうなったのに人任せ、って思ったりしないの?」
ヨンソは時々こういうデリカシーのないところがある。
1センチだけ残ったカクテルを飲み干しながら無言で目線を送ると、、
ys「ごめん。言いすぎた、、」
反省したように俯くヨンソ。
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作者名:m0668476373 | 作成日時:2020年9月22日 22時