残酷な世界で Ninth

EPISODE ３８３　怒涛 ページ24

*＊.*..


「…！！
　あぁ、ゴトーさんでしたか。」





ゾルディック家。

たったの３ヶ月ぶりだが、もうなんだか懐かしい気がする。



ここ最近で、いろいろなことがありすぎたせいもあるだろう。

久しぶりのこの雰囲気…


心地よいものではないけれど、何か落ち着くものがある。






「…失礼致しました。
　お声をお掛けしたのですが反応がなかったので」



＿＿＿＿＿＿＿A様。


ゴトーさんに肩を叩かれて、私はビクリと小さく跳ねた。

本当に、気が付かなかったのだ。



最近本当にダメだ。

とにかく一度ゆっくりと休息を取りたい。



本当に。

今だって気を抜けば立ってすらいられない。


そうして一度膝をつけば、多分そのまま死んだように寝ると思う。

そこがたとえ吹雪の中であったとしても。。。








オーバーワークにも程がある。

こちらに来ることと引き換えにあれだけの激務をこなしたというのに、こちらに来ても更にあちこち走り回らなければ行けないなんて。


理不尽。






「あぁいえ、こちらこそすみません。
　ご無沙汰しております。今日はミルキさんに用事
　がありまして。」




ここ数日まともに寝ていない。

ついこの間、キルアに睡眠は大事だと言ったばかりなのに。


今日だって夜中から明け方にかけてひとつ仕事を片付けてそのままここへ直行だ。


今夜はゆっくり眠れることを願って…



取り敢えず今を乗り切ろう。



「存じ上げております。
　お部屋でお待ちです。ごゆっくりどうぞ」



「あ、はい。
　ありがとうございます。失礼します」




疲れが顔に出ないようグッと堪えて、笑みを浮かべる。


一礼して、背を向けた。

*..**.

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