残酷な世界で Ninth

EPISODE ３８０　自完 ページ21

*＊.*..





「なぁに、キルア。
　さっきから何か変じゃない？」






チー…ン、と鳴ってドアが開く。

キルアはよろよろとエレベーターを降りた。


明らかに、変。



、、、どうしたんだろう、ついさっきまで普通だったのに。




「だってお前…毎日って」



「何言ってんの、寝るよね普通。
　キルアも寝るでしょ？睡眠は大事だよ？」







そう言えば、一転。


ギラリとキルアの瞳が私を捉えた。




フラフラとしていたのはまるで嘘みたいに、力強く詰め寄ってくる。



「…いや何。
　さっきから忙しいねキルア」





、、、ちょっと落ち着いた方がいいよ？ホントに。




「…まさかだけどさ。
　Aもしかして、、、意味わかってない？」





いや、何の意味？

睡眠をとるということの意味ならよくわかってるよ？


今キルアがどうしてそんな状態なのかはさっぱりわからないけど。

取り敢えず目がギンギンで怖い。


あと何かすごいショック受けた感じの顔でこっち見ないでほしい。






「A。
　因みに、ファーストキスっていつ？」



ファースト…？

って、１番最初のキスだよね、、、。



何か話飛んでない？

どこからそんな話に…？



さっきまで睡眠の話だった気がするんだけど、、、




「まだだよ。それがどうかした？」


「…うわ、じゃあ今までの会話成り立ってねぇ
　のかよ。
　くっそ、焦って損した。」




いや勝手に自己完結しないでよ。

こっちとしてはモヤモヤがモヤモヤしたままなんだよ。




「いっこ訊くけど、付き合ってどのくらい？」



「…多分、１０ヶ月ちょっと」




去年の夏にいろいろあって…


そっか

なんだかんだ、あれからもう１年経とうとしてんだ。



、、、早いなぁ。









「じゅ、！？……すげぇなそいつ」


キルアはそれ以上その意味不明な話題の輪を広げることはなかった。


あと、これはもう少し先の話だけど。
シャルを睨んでいた目が、何か憐れむような目に変わってた。





、、、本当に意味がわからない。

*..**.

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