残酷な世界で Ninth

EPISODE ３７７　心眼 ページ18

*＊.*..




「はじめまして、Aと申します。
　キルアがお世話になってるそうで…」



「あ、これはご丁寧に。
　ウィングです、どうぞよろしく」




ウィングさんというのは、一見優しそうな人だった。

ちょっとぽやぽやっとしてて、だらしがなさそうな印象を受けたが、心のうちに熱いものを感じる。



何も考えてなさそうで思考はフルで回っている。

こういう掴めないタイプが、一番苦手。



逆に、強化系みたいな単純は話が早くて好き。




「こっちは私の弟のシアン。
　…それから、シャルn、、、失礼、シャルです」




「３人とも随分優れた念能力者のようで
　驚きました」




、、、警戒されてるな。

声色は柔らかだけど、目が笑ってないしオーラもゆるくない。



別にそんなつもりないのに。



「私たちはそろそろお暇しますね」



シャルも睨まれてるし、バチバチしててなんとなく居心地が悪い。

ここに長居する必要もないし、早々に失礼しよう。



「え？もう行くのかよ。」



「うん、そろそろホテルに荷物が届いてる時間
　だから。
　それに修行の邪魔になっちゃうでしょ？」



別に真っ直ぐホテルへ向かうわけでもないけれど。

キルアがちょっと寂しそうで申し訳ないけど、ここまで睨まれると、、、うんって感じ。





「あ、そうそう。
　近いうちにキルアの家に寄るから何かあれば
　ついでに。それじゃ」



「…あ、おう、、、」





背中に視線を感じながら、私たちは部屋を出た。

ウィングさん、か。



なかなか鋭くていい師匠なんだろうな。


ゴンやキルアにとっては。

*..**.

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