残酷な世界で Ninth

EPISODE ３７２　唆す ページ13

*＊.*..


＿＿＿＿＿＿それなら平気。


それに続いた言葉は、俺が全部やっておいたから。だった。

















「…急にシアンがあんな事言うなんて、おかしいと
　思ったよ。」





飛行船の中。

隣にはシアン、向かいにはシャル。



２人はちゃっかり近くの席のチケットを確保していた。

…っていうかいつ私の座席確認したの。



相変わらず恐ろしいよ、シャル、、、







「…ごめん姉さん、」






「大丈夫、大体の経緯は見えた。
　どうせシャルが強引に事を進めたんでしょ」






シアンだってついて行きたいと言う時もあるだろう。

だけれど、絶対にもっと早い段階で言ってくれる。



それをこんな出発数分前だなんて…







「だってA、最近その子に構ってばっかりじゃん。
　しかも男の子でしょ？これで気にしないのは彼氏じゃ
　ないよ。シアンもそう思うだろー？」




「いや、僕は別に…
　キルアくんに会いたかっただけで。
　この前の約束、破っちゃったから」



絶対おかしいと思った。

どうにもシャルがそそのかしたらしい。



それで納得。














っていうか、シャル…

１０も年下の男の子をライバル視してるとかこっちが恥ずかしくなるから本当やめてほしい。


友達だって言ってるのに。



言っとくけど、一応友達第一号同士なんだから。

友達歴もかれこれ５〜6年。



…これ結構すごいことだからね？、、、多分だけど。




「シアンは偉いね。
　平気だよ、キルアも風邪だって知ってるし。
　なんならほら、来年の。新しい約束でもして
　きたらどう？」




「…来年、？」



シアンはきょとんとする。

来年の約束というのにあまりピンときていないようだ。



、、、あぁ、そっか。知らないんだっけ。












「キルアね、最終試験で失格になっちゃったの。
　ルール違反で。」

*..**.

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