拾ってあげるよ（TH） (ページ9)

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暗闇に座る私が突然立つから
目の前の男性は驚いていた。

その声にまた私も驚いて2人して
何故か謝る…

すると男の人は…

男

「ねぇ…寒くないの？」

「随分と薄着だねぇ…」

A

「あっ…えっと…」

「家がすぐ近くなんで…」

男

「ふ〜ん」

「そっかぁ…」

A

「じゃっ…じゃぁ…これで」

男

「待って…送るよ」

「こんな夜中に危ないからね」

A

「えっ…大丈夫です」

「本当にすぐそこなので」

男

「すぐそこなら、いいじゃん」

「俺も時間ないし、行こう」

「後、寒そうだからコレ羽織って」

そう言って彼は私に自分の着てたコートを
羽織らせてくれた…

うわぁっ…温かい…

おっと…いけない…返さないと。

A

「コート…大丈夫ですから」

私が彼に返そうとすると寒いから
着てなよって…

男

「ねぇ…あのさ訳あり？」

「薄着で…座り込んでさ」

「家出…とか？」

A

「えっ？」

「家出ですか？」

「それは無いですよ！！」

「追い出されたんですっ！」焦

はっ…。
うわっ…つい…言ってしまった。

見ず知らずの彼に話した所で仕方ないのに
私ったらつい…

男

「はあはははは笑」

「追い出されたの？」

「こんな寒空に？」

A

「あっ…それは誤解で…」

「まっ…とにかく帰りますので」

「失礼します…」

私は彼にコートを無理矢理渡し
逃げるように走った。