僕的生き方２

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『…え、っと、僕。』


佐「あ、違うよ。
手を抜いているとかやる気ないとかそんなことを言ってんじゃないからね。」


『あ、はい…。』


佐「みなはさ、自然と気づかないうちに俺らに合わせにきてるの。
7人でのパフォーマンスが上手くまとまりすぎている。」


『…それが、良くないのでしょうか。』


佐「良くないよ。」



普段全く表情の読めないみなの顔、今ならなんでも読めそうだ。


意味が分からない、ハッキリとそう書いてある。



佐「みなの踊りはこんなレベルじゃない。
もっと強くて激しくて、こんな上手くまとまった簡素な踊りなんかじゃない。
無意識で俺らのレベルに合わせに降りてきちゃってるんだよ。」



合わせにくるべきなのは、みなじゃなくて俺らだ。


俺らがみなのパフォーマンスに、早く追いついてなんなら追い越すくらいの勢いで。


みなという存在に引き上げられて、俺ら7人はもっともっと上に行かなくてはいけない。


みなは悪気なんてなく無意識に、俺らにハマるように踊りを調整してしまっているんだ。


今のみなの踊りは、あの日のレッスン室で見たような、痛いくらいに張り詰めたあの踊りではない。



佐「俺ら早く追いつくから。
だからみなは、楽しいと思うがままに踊っていて欲しい。」



今はまだ、上手くまとまりたくない。



『………はい。』



みなには答えにくいこと言ってしまったかな、と俺も思わず苦笑い。


みなもペットボトルを強く握りしめて、どうにかこうにか俺の言葉を咀嚼しようとしている。


勢いで言ってしまって不安になり振り返ると、微笑んだ照と目が合った。


どうやら同じことを考えていたみたいだ。


少し安心した。



「休憩終わり！もう一度通すぞ！」



振付師さんの声に一斉に立ち上がる俺ら。


照が通り過ぎ様に俺の肩を叩く。



岩「頑張るしかねえな。」


佐「…だな笑」



頑張る、だなんて単純な言葉だけれど、それが1番難しいことなんだ。








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