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滝「…話聞いてもよく分からなかったな。」
『そう、ですよね。』
滝「まぁ、彼らはデビューという夢を追って一生懸命にやってるよ。
そこにデビューを目指す訳でもない君が入ることは失礼だということは分かってる?」
『はい、もちろん。』
滝「君はさ、Snow Manに入りたいの?」
『えっと。』
滝「いくらジャニーさんでも君の意向に反した決断は出来ないはずだよ。
君が入りたいのか、入りたくないのか。」
滝沢くんの目が鋭く光る。
僕より何年も前からジャニーズエンターテインメントに向き合う人だ。
誤魔化しなんて効かないだろう。
『…僕は、エンターテインメントが好きで、でもその先が分からないんです。
デビューしたいとか、どうなりたいかとかよく分からなくて。
でもジャニーさんに、Snow Manが夢を見させてくれるよって言われて思ったんです。』
空気が重たくて、潰れてしまいそう。
『…入りたいか入りたくないかで言われると、少し違うんですけど、Snow Manになった自分が見てみたいとは、思います。
いつか彼らと同じようにまっすぐ夢を見てみたい。
誰かと同じ夢を分かちあったり、助け合ったり、そういうことも、してみたいって。』
滝「………なるほどね。」
自分でも、スラスラと出た言葉には少し驚いた。
あ、俺、たった数時間のステージで、Snow Manに魅せられたんだ、って。
自分の将来を決定する決断を、こんなにもあっさりとしてしまっている。
ジャニーさんの導きというのは、まるで逆らえない磁石みたいだ。
滝「こちらでもよく検討するよ。
あまり話したくないことも話させてしまったね。
ごめんね。」
『いえ、そんなことは…。』
滝「今日はどうだった?楽しかった?」
『それは、はい。』
滝「そっか、良かったよ。」
滝沢くんの顔が緩んで、優しい眼差しに変わる。
本来の滝沢くんはこっちなんだろう。
「またおいで。
今度はスノのみんなにも会ってあげてよ。
今日は仕事ですぐ出ちゃったけどいつもは終わってからもウダウダしてるからさ。」
『はい、ぜひ。』
滝「じゃあね、お疲れ様。」
ブランドのトートバッグを肩に提げて颯爽と出ていったその背中を見送る。
畳の匂いと微かなお粉の匂いがする。
…俺の未来はどうなるのか。
あの背中が、決めるのだろうか。
"歌舞伎"
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MIo(プロフ) - togawadollさん» ご不快な思いをさせてしまいまして、申し訳ございませんでした。以後ないように気をつけます。修正致しました。ご指摘ありがとうございました。 (2021年3月9日 12時) (レス) id: 5ac68e315d (このIDを非表示/違反報告)
togawadoll(プロフ) - 視点ごとにセリフの「」前に名前が無いと全て夢主君が喋ってるのかと思ってしまいます・・・。夢主君以外は名前ありの方がまだ読みやすいです・・・。それか全て外した方がまだいいと思いました。 (2021年3月9日 1時) (レス) id: a83c0082d0 (このIDを非表示/違反報告)
MIo(プロフ) - 林檎さん» コメントありがとうございます!可愛いと思って頂けて本望です!笑焦らしに焦らしまくる展開で申し訳ないですが、これからもよろしくお願い致します!お優しいお言葉もありがとうございます(^^) (2021年2月21日 16時) (レス) id: 5ac68e315d (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - いつもみな、可愛い!と思って読んでます!これから、メンバーとみながどう距離をつめていくのか楽しみです!無理しない範囲で頑張ってください! (2021年2月16日 14時) (レス) id: a733c91119 (このIDを非表示/違反報告)
MIo(プロフ) - 林檎さん» 初めまして。コメントありがとうございます。出会ってくださってこちらこそ感謝です!これからもよろしくお願い致します!! (2020年12月15日 18時) (レス) id: 5ac68e315d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:MIo | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/____mio__w
作成日時:2020年12月13日 22時