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『えっ、なにこれ、あかない!』
「「ギャハハハハ!!!」」
「お前年下のくせに生意気なんだよ!」
「ひっかかってやんのー!」
『ま、まって!あけて!このあとさつえいが!』
「うるせーよ!
どうせひいきでもらった仕事なんだろ!
遅刻しちゃえよ!!」
「じゃあな!笑」
『まって!ごめんなさい!あけてっ!あけて!!』
無情にもレッスン室の扉が閉められた音が聞こえた。
遠ざかっていく複数の足音と笑い声。
それは完全に自分の失態だった。
(…ばかだな。)
とりあえずここから早く出なければ仕事に遅れてしまうことは明らかだった。
この世界がいかに分刻み、秒刻みで動いているのか、まだ幼い自分でもそれは痛いほど感じていた。
まだまだ下っ端も下っ端の自分が少しでも遅刻してしまったら…。
その先のことを想像すると冷や汗が背中を伝うのが分かった。
(あかない、くらい、せまい、うごけない、あかない、おくれてしまう、おくれてしまう、おくれてしまう!
おくれたら、クビになる。
仕事ができない、おかあさんが、またおかあさんにめいわくをかけるだけになる…!)
『あけて!!だれか!!!』
激しく扉を叩き声を上げたものの、そもそもレッスン室は防音になっており、その中にある倉庫だ。
いくら音を立てても外に伝わるわけが無かった。
ここから出られないのではという恐怖と、仕事に遅刻してしまうという焦燥感と、あの子に裏切られたという無力感。
『っ…はぁっ…あけて、っ、ひぐっ。』
情けなかった、泣いている自分が。
涙が溢れ、それに伴ってだんだん息が乱れていった。
どれくらいそこで叫んでいるのか分からなく、実際は30分にも満たなかったらしいが、俺は無限にそこに閉じ込められた気がしていた。
しばらく叫び続けたが、元々レッスンで消耗していた体力はすぐに尽きた。
ぐったりと扉によりかかったまま、懇願することしかできなかった。
『だれか…。』
「カズヨシ!!!」
ガチャガチャッ、バンッ!!
『っふ、かざわくん…。』
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MIo(プロフ) - togawadollさん» ご不快な思いをさせてしまいまして、申し訳ございませんでした。以後ないように気をつけます。修正致しました。ご指摘ありがとうございました。 (2021年3月9日 12時) (レス) id: 5ac68e315d (このIDを非表示/違反報告)
togawadoll(プロフ) - 視点ごとにセリフの「」前に名前が無いと全て夢主君が喋ってるのかと思ってしまいます・・・。夢主君以外は名前ありの方がまだ読みやすいです・・・。それか全て外した方がまだいいと思いました。 (2021年3月9日 1時) (レス) id: a83c0082d0 (このIDを非表示/違反報告)
MIo(プロフ) - 林檎さん» コメントありがとうございます!可愛いと思って頂けて本望です!笑焦らしに焦らしまくる展開で申し訳ないですが、これからもよろしくお願い致します!お優しいお言葉もありがとうございます(^^) (2021年2月21日 16時) (レス) id: 5ac68e315d (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - いつもみな、可愛い!と思って読んでます!これから、メンバーとみながどう距離をつめていくのか楽しみです!無理しない範囲で頑張ってください! (2021年2月16日 14時) (レス) id: a733c91119 (このIDを非表示/違反報告)
MIo(プロフ) - 林檎さん» 初めまして。コメントありがとうございます。出会ってくださってこちらこそ感謝です!これからもよろしくお願い致します!! (2020年12月15日 18時) (レス) id: 5ac68e315d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:MIo | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/____mio__w
作成日時:2020年12月13日 22時