音駒高校バレー部のマネ？居るよ。一応。

山本猛虎の思慮(8話) ページ42

いつから


いつから俺はこの感情を持っていたんだろう







山本猛虎、16歳

モヒカン頭がトレードマーク(？)なイカした男！





俺が

女の子に憧れを抱いたことは数え切れないほどあった

可愛い女の子に
美人な女の子に



けど

どれも｢恋愛｣に繋がる感情ではなくて


高校生にもなって、初恋もまだ
でも女とまともに話せないんだからしかたがないだろ･･･






高1 春


女子と会話もままならない俺が出会ったのは


人からの好意や優しさから目を背けて
でも本当は寂しがり屋で、ちょっとネガティブ思考で、不器用で、ツンデレで、いつも俺の事馬鹿って言って、そのくせ自分は変なところで鈍い

そんな奴だった



よくわかんねえけど、Aは放っておけなかった

なんか目を離すとすぐ消えてしまいそうで、
それほど最初のAは荒んでた


でも
段々と これがAなんだ ってのがわかってくると、意外な一面とかも見えてきて
面白い奴だなって思った





そんで


｢と、ら･･･？｣


Aに名前を呼ばれて、心臓がぐわっとキた。


あのAが風呂でのぼせてぶっ倒れた日
俺は初めてこの感情に気づいた。



必死に自分の心を自分自身に誤魔化して

そんなはずない
Aは男だから
と言い聞かせた



その甲斐あってか、今まで誰にもバレることなくAと友達でいられた



｢とら、たけとら･･･｣




あの瞬間までは









喧嘩して、
Aと正式に友達になって

多分Aは安心したんだろうな
信じられない程馬鹿みたいに泣いた


それでぼろぼろ泣きながら｢とら｣って俺を呼ぶ好きな奴を見て、それでも自分を抑えておける奴がいたら俺は尊敬する





だからそれは不可抗力であって、俺は悪くない。きっと、多分


｢俺、多分Aが好きなんだと思うっ･･･｣



ポロッと口から言葉が出てきてしまった




後悔、というのはまさにこういうものなんだろうな

1分前に戻って全力で俺を殴りたい



せっかくAが俺と距離を縮めようとしてくれたのに、全部無駄だ




｢男に恋｣だなんてキモチワルイ

きっとAは、俺を切り捨てるに決まっている
俺がAだったら、おそらくそうする

キモチワルイ








終わった

なにもかも



さよなら、俺の小さな初恋くん

さよなら、A

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