孤爪相談窓口の慣れ(6話) ページ37
それは、昼休みの中庭の事だった
『だから今言うべき言葉はそれじゃねえだろって話してんだよ!なんでそんなひねくれた考え方しかできねえんだ馬鹿!』
『俺は、こういうとき、“ごめん”じゃなくて“ありがとう”が聞きたいんだけど』
やっとわかった
なんで、山本があんなにも怒ったのか
そうだ
そうだった
「ごめんじゃなくて、ありがとう・・・か・・・・・・」
山本が怒ったのは、俺が
「俺を助けてくれてありがとう」じゃなくて
「わざわざ俺の為に迷惑かけてごめん」って
考えたからだ
山本の言った「ひねくれた考え方」ってのは、多分それだ
・・・ったく
なんでそんな事でお前が怒るんだよ
俺がなに考えてようと関係ねえじゃんか
どうせ俺と山本は、“友達”でもなんでもないんだから
その時、やっと気づいた
俺は、山本の
“友達”になりたかったんだ
「こういうとき、どうすればいいと思う?」
「・・・笑えばいいと思うよ。」
「えっ?」
孤爪に相談をすれば、変な事を返された
わ、笑・・・?
「ごめん・・・なんでもない。」
「ああ、おう」
いきなり意味わからん事言い出すから何かと思った
俺、結構真面目に相談してんだけど
てか孤爪ってこんなキャラだったっけか?
孤爪はよく、今みたいな変なネタ(?)を入れてくる
夜久さん曰く、「研磨はネットとかよく見てるから、そこでつちかったネタを言うことが多いんだよ。本当に時々だけど」
らしい
「えっと、やっぱ謝った方が・・・いい、よな」
気を取り直して再び孤爪に相談開始
孤爪は、ファーストコンタクトのせいでちょっと苦手意識もあったけど、もうここまで付き合いになれば、苦手もくそもない。
だから時々こうしてちょっとした事を相談している。
孤爪は手元で素早い指さばきでボタンを押していたゲームをセーブし、電源を切った
「好きにすればいいんじゃないの。Aはなんで虎が怒ったのかもわかったわけだし、それに納得したんでしょ?だったらどっちでもいいと思うよ。そもそも虎はAに考え方を変えて欲しいだけだと思うし」
ゆっくりと、けれどいつもよりも饒舌に、そして興味無さそうに言う
適当に見えて、実は核心をついている
どちらでもいい
孤爪の言ってる事は正解だ。山本は、俺に謝らせる事を望んでいるわけではない
俺に理解させる事を望んでいる
だから、どちらでもいい
名前を呼ぶのは至難(6.2話)→←感謝と謝罪の言葉は正反対(過去:16.2話)
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湧燈(プロフ) - 天音さん» ありがとうございます!嬉しいです!!頑張ります!!! (2015年11月2日 18時) (レス) id: 290d132918 (このIDを非表示/違反報告)
天音 - 面白いです! 更新頑張ってくださいヾ(@⌒ー⌒@)ノ (2015年11月2日 17時) (レス) id: 48a0b1dd4b (このIDを非表示/違反報告)
湧燈(プロフ) - おお!嬉しいです!!更新本当に遅いですが、頑張ります!!女性ももちろん大歓迎です!!コメントありがとうございました!!! (2015年10月24日 21時) (レス) id: 290d132918 (このIDを非表示/違反報告)
月光 - 私、女なんですけど読んでます!すんごく面白いです!!更新、頑張って下さい!! (2015年10月24日 21時) (レス) id: 4e1ec2a187 (このIDを非表示/違反報告)
湧燈(プロフ) - ユンシカさん» ありがとうございます!そう言ってもらえると本当に心強いです!頑張ります!コメントありがとうこざいました!! (2015年10月20日 6時) (レス) id: 290d132918 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:湧燈 | 作成日時:2015年10月4日 17時