音駒高校バレー部のマネ？居るよ。一応。

黒尾鉄朗の髪型の理由(過去:15話) ページ32

｢やばい｣

ゲーム音と、それを掻き消すような馬鹿の声。そんな音駒高校バレー部員達が寝る場所となっている教室内で、自分のカバンを先ほどから執拗にまさぐっていた黒尾さんが落ち着いているようで、かなり焦っている そんな声を上げた

｢･･･やばい｣
｢わかった。わかったから２回も言わなくていいぞ｣
誰も反応してくれないため、聞こえてなかったとでも思ったのかもう一度言った。
ただみんな無視しただけなのだが。(本当に聞こえてなかったであろう馬鹿を除いて)
孤爪に至っては眉1つ動かさなかったぞ
そんな黒尾さんに律儀に返事をしたのは夜久さん。流石としか言いようがない

心底めんどくさそうだけど


｢で、どうしたんだよ黒尾｣
仕方なしに、本当に嫌だけど聞いてやる、といった風な口調と表情の夜久さん
実際にそうなんだろうけど


｢いや、それがよ、枕1個忘れちまった｣
｢･･･馬鹿かよお前｣
｢？｣
枕？枕ってあの枕だよな。寝るときに頭の下に置くあれ。
でも枕って確か布団とセットでもうすでに用意されてるはずだよな。
わざわざ持ってくる必要なくね？

もしかして黒尾さんって枕変わると眠れないタイプなんかな


｢別にいいんじゃね。この際、1回普通に寝てみたら？意外と行けるかもよ？｣
｢無理だ。昔っから何度かやった事もあるけど、一睡たりとも寝れたことがない｣
｢大体毎回思うんだけど、あの寝方息できんの？すげえ苦しそうじゃん｣
｢全然余裕だぞ。夜久もやってみたらどうだ？｣
｢お前みたいな髪型になるくらいならスキンヘッドにしたほうがマシ｣


寝方？苦しそう？髪型？

どういう事だ？

｢クロは枕2つ使って寝るんだよ｣
｢そうなのか？･･･2つってどうやって寝るんだ？｣
2段重ねで･･･いや、高すぎるだろ。首 寝違えそう

｢Aの想像してるようなのじゃないと思うけど･･･｣
｢ああ････え、あ？｣

それは孤爪が、俺に言った言葉だ。ちょっと
驚いた
いや、内容に驚いたんじゃない

孤爪が俺をA、と呼んだ事にだ

｢どうかした？｣
｢なんで、もない｣



別に、普通の事だろ

孤爪は山本と福永の事名前で呼んでるし、そういう奴なんだろ

前にも呼ばれたし うん



山本に呼ばれるのは、安心･･･ていうか、もっと呼ばれたくなる
ん？なんて言えばいいのかわかんねえな･･･


けど、孤爪に呼ばれるのは、腹の辺りがぞわっとする。呼ばれたくないっつか鳥肌が立つ。嫌なわけじゃないけど

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