テーピングは需要がある(過去:13話) ページ28
｢なんでここに来たって、いやAがなかなか帰ってこないし、黒尾さんがテーピング使いたいから呼びに行ってこいってさ｣
｢･･･そ。｣
コイツは、人の名前を呼ぶ時に不思議な力でも出しているのか
名前を呼ばれる事のむず痒さと、恥ずかしさと嬉しさが混じってなにがなんだかよくわからない
｢テーピングねえの？｣
｢いや、あるにはあるんだけど･･･｣
届かない、とは言いたくなかった
別に今更山本に同情されたくない、なんて思わない
けど言えば、きっと山本に甘えてしまうから
例え山本が俺を救ってくれた奴だとしても、それでもけっして山本に甘えていいものではない
｢なんでもない。すぐ行くから待ってろ｣
きっと、何か方法はある。いっそ外から土台になるもん持ってくるか
とりあえず、それは山本がここから出てくんないと出来ないんだけど
テーピングを探すフリをして山本が出るのを待つ。だが、一向にここを出る様子の無い山本
｢･･･なにやってんの山本｣
すると山本は、ずんずんとこっちへ近づいてくると、俺の目の前で止まり、俺に覆いかぶさるように背伸びをする
｢うおっ｣
｢よっ、と･･･｣
思わず目を瞑ると、俺の頭上で何かガサガサとまさぐる音がしたと思ったら、山本が俺にお目当ての物を差し出していた
｢これだろ？テーピング｣
｢あ････おう･･･｣
今、俺
山本に、“取ってもらった”のか？
｢･････｣
｢A？｣
なんか、みっともねえ
それに、情けない
｢A｣
｢！｣
目の前で思い切り山本が両の手の平を合わせ、パンッ、と俺が驚くには充分過ぎる音が出た
｢なん、だよいきなり！｣
｢いんや？別に｣
｢は？｣
怒りを露わにして山本を睨めば、いつものように何も知らなーいと言ったような面でにへら、と笑う
｢自力で取れなかった事を知られた上に取ってもらうとかなにそれ俺情ねえー、とかんな今更な事思ってんのか？｣
｢うぐっ･･･｣
図星だ。
こいつ、馬鹿のくせにこういう時だけはわかるってなんなの？
俺の核心をついてくる。
やっぱ俺は山本の事が嫌いかもしれない
山本猛虎は言葉が足りない(過去13.2話)→←用具室はなぜ遠いのか(過去:12.2話)
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湧燈(プロフ) - 天音さん» ありがとうございます！嬉しいです！！頑張ります！！！ (2015年11月2日 18時) (
レス) id: 290d132918 (このIDを非表示/違反報告)
天音 - 面白いです！ 更新頑張ってくださいヾ(＠⌒ー⌒＠)ノ (2015年11月2日 17時) (レス) id: 48a0b1dd4b (このIDを非表示/違反報告)
湧燈(プロフ) - おお！嬉しいです！！更新本当に遅いですが、頑張ります！！女性ももちろん大歓迎です！！コメントありがとうございました！！！ (2015年10月24日 21時) (レス) id: 290d132918 (このIDを非表示/違反報告)
月光 - 私、女なんですけど読んでます！すんごく面白いです！！更新、頑張って下さい！！ (2015年10月24日 21時) (レス) id: 4e1ec2a187 (このIDを非表示/違反報告)
湧燈(プロフ) - ユンシカさん» ありがとうございます！そう言ってもらえると本当に心強いです！頑張ります！コメントありがとうこざいました！！ (2015年10月20日 6時) (レス) id: 290d132918 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：湧燈 | 作成日時：2015年10月4日 17時
