憑神様 (ページ16)

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Aside

布団を深く被る。

それでも周りが明るくなったのが分かる。

朝が来たのだ。

眠れない夜も好きではないが、朝が来ることはもっと嫌いだった。

どうせなら、あの暗闇の中に、青白い光の中に溶けてしまいたい。

そうすれば、悩むこともなくなるのに。

起きようにも起きられず、布団の中でひたすら光を遮る。

暗闇の中にいるくらいが、今の私にはあっている。

動かない体を動かして、気を張って生きないと生けない１日が始まる。

そんな状態で、この先も生きようとは思えない。

でも、もう一人じゃないんだよな。

薄いドアで隔てた、向こう側に頭が向いた。

起きてこないと、変だと思われるかな。

なんか言われたら、嫌だな。

行動一つするにも、人の目が気になってしょうがない。

透明人間にでもなれたらいいのにな。

私のことを誰も気にしなくなってくれたら、

楽になれるのにね。