日常の変異 ページ48
S side
「おかえり。どうだった？」
「うん、大丈夫だった。虫歯も無かった」
「ぉぉ、まじ？良かった」
「ね。俺もびっくり。お待たせしました」
助手席に座る潤を、運転席でしばらく待ってた俺。
粘膜障害を引き起こした潤は、
退院後、必ず歯医者に行くようにと言われてた。
歯の健康は身体の健康。何もなくて良かった。
「歯科助手さん？が、俺見てめちゃくちゃ驚いてた」
「いつもの人じゃなかったの？」
「うん。先生はいつもの先生だけど、
歯科助手さんは違う人だった」
「へぇ、そりゃ驚くだろうね。松本潤が来るって分かってても、実際に松本潤を目にするとなるとね」
「ふふ、なにそれ。それに、あの驚きはイマこの俺の容姿に対してだったよ、絶対」
「いやいやあ、世界のMJだから」
「なにそれ、笑っちゃってんじゃん、笑」
ひとつ息を吐いて外を見る潤の体力は、
目に見えて低下してる。
散歩も、1人で行かせるには心配しちゃう程に。
「寒いね。どうぞ？」
「ゎ、珈琲。ありがとう」
「ううん」
あっためたまま出てきた部屋。
それでも潤は、
帰ってきてすぐ、ヒーターの前に座り込んだ。
身体があったまりにくくなった。
「翔くん」
「ん？」
「何か欲しいものある？」
「欲しいもの？」
「うん。もうすぐ誕生日」
「ん〜〜、俺は潤がいればそれで」
「…ふふ、そんな大きなことじゃなくて」
「え〜？なんだろう、」
「え〜無いの？」
「……うん、笑」
「ふふ、分かりました」
身体ががほっそり小さくなったなと感じても、潤は潤で。
俺の誕生日まで考えてくれる潤は、
やっぱり何も変わっていない潤で。
「なに〜？そんなに見つめちゃって」
「ふふ、今日は穏やかですねえ」
「そうだねえ。吐いてないねえ」
「ふふ、あったまってきた？」
「うん、珈琲美味しい。ありがと」
床にマグカップをコトっと置いた潤は、
隣に腰を下ろした俺に腕を回してきた。
「……猫みたいだねえ、相変わらず…」
「なんかそれ、リーダーにも言われた気がする」
「え、そうなの？笑」
「うん、なんか、猫みてえだって」
「ふふ、言いそう」
「なんで猫みたいなの？」
「ん〜、
綺麗だしなんか柔らかいし静かに擦り寄ってくるし？」
「柔らかいってなに、ふふ」
柔らかい赤みを帯びた日差しが差し込む、
そんなあったかい昼下がり。
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伶(プロフ) - ﾄﾞﾘさん» ドリさん、ご感想ありがとうございます☺️泣けるシーンだとは思わず書いていたので、嬉しいご感想です🥹✨もう少しハッピーなシーンもお届けしますね！ (2022年12月9日 11時) (
レス) id: 83db5ff032 (このIDを非表示/違反報告)
伶(プロフ) - hiromigenkingさん» 応援ありがとうございます🥹！！とても励みになります✨潤くんのこれから、どうぞ最後までお付き合いください📖✨ (2022年12月9日 11時) (レス) id: 83db5ff032 (このIDを非表示/違反報告)
ﾄﾞﾘ(プロフ) - 連続で泣かされるとは思わず油断してました。大野さんの涙にお母さんの涙。書きながらも又泣きそうになってます😢 (2022年12月5日 11時) (レス) @page34 id: ea1134548d (このIDを非表示/違反報告)
hiromigenking(プロフ) - また泣きました…。智くんの涙。親と子。翔君。切ない……。また5人で嵐をして欲しい!伶さん!ずっと応援します! (2022年12月4日 21時) (レス) @page34 id: 9bb618aa13 (このIDを非表示/違反報告)
伶(プロフ) - ﾄﾞﾘさん» ドリさん、ありがとうございます🥹🥹泣きましたというご感想をいただくことが多かった回でした…！自分でも読み返してみましたが、また心があったかくなるようなお話し、更新したいと思います☺️ (2022年11月24日 20時) (レス) id: 83db5ff032 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伶
| 作成日時：2022年10月29日 13時
