僕が、また。 -３-

月に願いを ページ17

N side






「昨日はどう？話せた？」







昨日、病院に1人残った翔ちゃんに聞きたかったこと。







「話せた話せた、ありがと。…てかさ、」

「ん？」

「相葉くんがよく月に願いごとするじゃん」

「するね」

「あれさぁ、いつのまにか俺もするようになってて」

「まじ？…俺も、笑」

「は、うそ。にのも？笑
智くんにうつってるってのは知ってたけど」










今日も楽屋で「 嵐 」の話し。









「あの人、この前の旅行の時もしてたよ」

「うそ、いつ？」

「翔ちゃんと潤くんが寝た後。
俺らだけで酒飲んでて、潤くんの話しも色々してたから、急に祈りたくなったのかバッと立ち上がって外出てさ」

「急に祈りたくなった、笑」

「大野さんも俺も、
さみぃじゃんとか言いながら付いて行ってさ」

「まじ？ふふ、ついていったの？」

「うん、ふふ。まじ寒かったけどね」









願いごとの内容を敢えて聞いてこない翔ちゃんが、

翔ちゃんらしい。








「あそこめっっちゃ綺麗だったのよ、空が」


「ぁっ、そうそうっ、星が見えるって」


「そうっ。星がまじで見えてて、だから相葉さん、
流れ星流れないかなってまじで願ってて」


「あれ？流れたんでしょ？流れ星」


「そう、ミラクルだよ、まじですごいよあの人」


「ふふっ、まじですごい」


「だから余計になのかさ〜、」


「ん？」


「潤くんが倒れて、すっげーヘコんでんの。
あんだけ願ったのにって、あんなの意味ないって」


「え……、まじ？そんなことになってんの？」


「あ、別にアレよ？大ごとになってるとかそんなんじゃないよ？だってあの人、もっと強く願わなきゃとかって言ってたから、笑」


「ぁ、そっか、…ふふ、良かった。
いやでも、まじですごいよね相葉くんって。
いやあ、潤も幸せ者だな本当。にのもありがとね？」


「願ってくれて？」


「そうそう、ふふ」


「ふふっ、なんだそれ」


「ふふ、今が踏ん張りどころかなぁ、潤も俺らも」










てことは、


やっぱり潤くん、


まだ落ち込んでんのかな。










「今の話し、書いていいかな？笑」

「え？笑」

「アンケート、笑
"最近起こったミラクルな話し"って項目がある、笑」

「ぇえ？そんなピンポイントで？うそでしょ？！
……ぅわ、すご、あるじゃん。ふふ、俺も書こ〜」








この日、

旅行後直後に撮ったレギュラー番組が放送された。

世間は、

潤くんが運ばれたとまだ騒がれてる中での放送だった。

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