期待の高さは失望の大きさ ページ33
S side
どこまで目にしたのか分からない潤は、
もくもくと洗濯物を畳んでる。
いきなりハグするのもどうかと思うし、
てか あからさますぎるし、
てか 俺そんなにスマートじゃないし、
「ふふ、なに？」
「え？」
「ふふ、気になってるでしょ、
俺が今どんな気持ちなのか」
「……まぁ、そりゃあ、ね」
「ふふ、ほんと分かりやすい。
どう？翔くんから見て、俺の顔はなんて言ってる？」
畳むのをやめて、俺を見ながら笑う潤は、
「悲しんでる」
「ぇえ？ふふ、俺笑ってるよ？」
「ううん、……悲しそう。てか、悲しんでる」
「ふふっ、」
夕陽に照らされて笑ってる 否定もしない潤は、
やっぱり、俺には、泣いてるように見える。
「はい、ハグしよ」
「ハグ、…ふふ、」
「どう？」
「うん？」
「俺の匂い」
「うん、今抱かれてる」
「ふふっ、また大丈夫だった？」
「うん、ふふ」
「よっしゃ」
「まあでも、
副作用らしい副作用がまだ出てないからねぇ」
「現実的〜、」
「ふふ、」
畳みかけの洗濯物を横に退けて、
真正面にいる潤を抱きしめて、また笑って。
潤の名前を口にしだしたテレビを消して、
2人で夕陽が浮かぶ窓の外を見て。
「俺さぁ、」
「ん？」
「みんなの希望を奪っちゃったかな、」
「そんなことない」
「俺とさ、同じような境遇にいる人たちに、
俺が思ってた以上のものを与えちゃったのかな」
闘ってるその身体を、俺に預けてくれる時間。
気分を晴らすも下げるも、今は、俺次第、だったりして。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 203人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「病系」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
伶(プロフ) - 餡子さん» 餡子さん、ありがとうございます✨前回のも読んでいただけたみたいで、嬉しいです！これからまだまだよろしくお願いします☺️ (2022年7月23日 14時) (
レス) id: 9e9e184764 (このIDを非表示/違反報告)
餡子(プロフ) - この前、前回までのを読んだのでもしものお話がとても嬉しいです！ありがとうございます！これからも頑張ってください😊 (2022年7月18日 17時) (レス) @page31 id: e06a8e0f67 (このIDを非表示/違反報告)
伶(プロフ) - ナナさん» 私もこのお話だけは、読み返したことがあります！🫣まーったく、医療関係ではございません…（笑）少しでも違和感をなくしたいと思っているので、嬉しいです！ありがとうございます💜 (2022年7月6日 21時) (レス) id: 9e9e184764 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 怜さん、こんばんは(^^)リアル設定なのに…大好きー💜貴方と、~もまた読み返したくなってきました(´∀｀*)怜さん、ホントに病院関係のお仕事されてないんですか？内容がめっちゃリアルっぽいです😸 (2022年7月4日 20時) (レス) @page20 id: d658bfc4bc (このIDを非表示/違反報告)
伶(プロフ) - じゅんすきさん» こんばんは🌙コメントありがとうございます！このお話を最初から読んでいただけて嬉しいです…！！これからまだまだ続くのでよろしくお願いします☺️ (2022年6月30日 19時) (レス) id: 9e9e184764 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：伶
| 作成日時：2022年6月12日 12時
