僕が、また。

物の捉えよう ページ13

J side








思ったよりも

しん、とした。








もっと、こう、

俺に気を遣って

慰めたり、

大丈夫、って、

口にしたり。








この人達のことだから、

そうなるかなって

思ってたんだけど。













「ありがとう、教えてくれて」












そう声をかけてくれて、


抱きしめてくれた相葉くんに、


大野さんも、にのも。


一緒になって抱きしめてくれて。












ぎゅうぎゅうになってる俺の視線の先には、

そんな光景を見ながら、優しく笑ってる翔くん。












「……ごめんね、みんな……」












予想を超えて、相変わらず、

あたたかい人達だなって、

そう思う反面、やっぱり、

謝らずにはいられなくなってしまって。












和「なんで謝るの」

翔「そうだよ」

雅「悪いことしたわけじゃないんだから」

智「……なんて言ってるけど、みんな分かってるから。
松潤のその、複雑な気持ち？……ふふ、大丈夫だ」

翔「……なぁに、泣いてんの」

「っしー、…」











翔くんが言わなきゃバレなかったのに、

少しだけ零れてしまった涙が、皆んなにバレてしまって。












雅「ふふ、翔ちゃんいじわるだね？」

「ね。絶対わざとだ」

智「んふ、」












でも、しんみりしちゃうよりは良かったよね？







それにさ、自分の口から伝えられたのって、

思ったより凄いことだと思うんだ。
　






癌が初めて見つかった時、進行具合だとかステージだとか、

もう、明るい未来は望めないかなって、そう思ってたから、

手紙にビデオに、色々ひとりで準備した。












そんなことをしてた俺がさ、またこれからの話を、

今、自分の口で伝えたんだもん。











これは、悲しい報告のようで、

取り方次第で変わってくる。











俺にも、皆んなにも。

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