今までと、 ページ27
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わん side
「ねぇ、潤くん」
「ん？」
俺ん家で、もう見慣れたはずのギターを、
今日も興味津々に触ってる潤くん。
「俺がさ、もしわんじゃなかったとして、
それでも潤くんは、こうやって俺と会ってた？」
「…うん？…なりくんがわんさんじゃなかったとして、」
「ふふ」
あれから潤くんとは、思った以上の時間を共有した。
誘って誘われて。
俺じゃ選ばないような場所でも、
潤くんとだったら楽しかったりして。
「んー………なりくんはわんさんで、
わんさんはなりくんだから……、難しいな、」
「んふ、………俺さ、好きな人できたんだよ」
「えっ…………え？まじ？」
「そんな驚く？ふふ」
「だだ、だって、そういう話したことないから。
……そういうのは…その、興味ないのかと」
「ん〜、興味ないわけでも興味あるわけでもなくて、ただ、好きな人ができたから興味もったって感じかな、俺は」
ぐびっと缶ビールをひと口飲んだ潤くんは、
「どうしたの、ふふ」
「なんか、むず痒くて」
「ぁぁ、ふふ」
今日もかわいい反応を見せた。
「どんな人？」
「どんな人か。……んー、性格は一旦置いといて、
俺が今一番気になる人……、かな。ただ分かんないのよ」
「なにが？？」
「その人が俺のことどう思ってんのか」
「…本当に恋してるんだねえ、その人に」
「うん、してるね。いつの間にかね。今考えたら、一目惚れだったんじゃないかなって思うことがよくあるよ」
「へぇぇ。全然知らなかった」
「……潤くん、俺のこと好き？」
「うんっ、もちろん。自信持っていいよ、ふふっ」
「ふふ、そっか。
じゃあ…、こんな時くらい自信持つかな」
「ん？ふふ」
「ねえ潤くん、俺の好きな人って、潤くんのことだよ」
「えっ？またまた〜、なにその冗談、ふふ」
「……うん、冗談だよって返した方が、潤くんは困んない？……でもそれじゃあさ、自信持った意味無くなっちゃうんだよなあ〜」
夏が過ぎて、秋が過ぎて。
冬の寒さが外の空気を支配する中、
潤くんは消えて行った。
焦ってるような、
俺が好きになった笑顔じゃない笑顔を浮かべながら、
上着さえ羽織らずに消えて行った。
追いかけた俺も遅かった。
はぁ、と吐いたため息は白く宙に舞って、
今の俺と潤くんみたいに、すぐ消えてなくなった。
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伶(プロフ) - nnmさん» ありがとうございます✨ひとまず、出会えたふたり。これからどうなっていくのかお楽しみください☺️ (2022年3月5日 16時) (
レス) @page11 id: 9e9e184764 (このIDを非表示/違反報告)
nnm - 楽しく読ませてもらっています。にのと潤くんが、どう出会っていくのか楽しみです！頑張ってください！ (2022年3月3日 12時) (レス) @page8 id: de96b447bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伶
| 作成日時：2022年2月26日 11時
