見えていないもの＿Ｊ ページ8
.
「しょおくん？……まだ寝てるの？」
珍しく翔くんの起床時間が遅い。
いつもなら俺より先に起きてるのに。
「疲れてるんだね……おつかれさま、」
仕事に、毎日の俺の看病。
「…………ぁつ…………」
寝てる翔くんの頭を撫でてすぐ、
自分の手のひらを翔くんの額に移動させた。
「……熱…？……ぇ……しょおくん、起きてっ」
じわじわと翔くんの体温の高さが伝わってくる。
よく見れば、額は少し汗ばんでる。
「……ん……………ん？…………おはよ、」
「んっ、しょおくん、おはよ。ごめんね、起こして」
「んー…？……んーん？………あれ、寝過ぎた？」
「しょおくん、熱、あるかも」
「えっ……熱は？測った？」
「ううん、まだ」
「ちょ、体温計持ってくるわ」
「ぁ、違うっ、俺じゃないよ」
「……うん？」
「しょおくんが、」
「は？俺？」
「はい、測ってみて？」
「………おれ？」
まあまあな寝癖を触りながら、
渋々測ってくれた翔くん。
「………ほら、やっぱり」
「え？うっそ……自覚ないけど？」
「……だるくない？……汗もかいてたし…」
「ぁー……体がなんか重いなぁとは思ってたけど」
「ぇ？いつから？」
「昨日くらいから？」
「…うそ………ごめん、気づかなかった」
「へ？なぁんで謝んだよ、ふふ。
ぁあーー…まじかぁ……移ったら大変、」
熱は８度手前。
でもまだ上がり切る前、って感じかな。
………ヘコむ。
翔くんの異変に気づいてやれなかった。
翔くんはいっつも俺のこと気にしてくれてるのに。
「しょおくん、ごめんね……ちょっと待ってて？
おかゆ作ってくる。……ぁ、うどんの方がいい？」
「だーいじょうぶだよ、」
「……俺にも翔くんのサポートさせてよ」
「んー……分かった、ありがとう…ふふ。
じゃあー、うどんでお願いしまーす」
「ん……待っててね、ふふ」
前までの俺だったら気づいたんじゃないの？
熱を出す前の翔くんのサインに。
何年も一緒にいるんだからそんなの簡単に。
いつのまにか、周りが見えなくなってた。
こんなことで気づくとはね。
ごめんね、しょおくん。
「あつっ………うまっ……」
「ふふ……ゆっくり食べなきゃ」
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伶(プロフ) - 嵐蘭（あらん）さん» ありがとうございます！！ここだけの話ですが、少し先になるとは思いますが続編を書こうかなと思っているので、その時はまたぜひよろしくお願いします✨ (2022年2月20日 13時) (
レス) id: 9e9e184764 (このIDを非表示/違反報告)
嵐蘭（あらん） - 滝のように涙が流れる、お話でした。 (2022年2月19日 15時) (レス) @page47 id: 419204c463 (このIDを非表示/違反報告)
伶(プロフ) - stormさん» stormさん、ご感想ありがとうございます！書いてよかったなぁ、と、本当にそう思わせていただける内容で、とてもとても嬉しかったです😭✨潤くんの日常も幸せなんだと、そういう意味も込めて書きました！ご縁があればまたよろしくお願いします✨ (2021年12月19日 11時) (レス) id: c3cf0045bc (このIDを非表示/違反報告)
storm - もう…ボロ泣きです…(涙)素晴らしい作品本当ありがとうございます。嵐の復活が更に楽しみになりました。本当に本当に…何か…写真集見てみたいなぁ…何て思うほどのめり込んでしまいました…ささやかな日常がどれほど大切か改めて思い知らされた気がします。 (2021年12月18日 20時) (レス) @page48 id: 5bdda0872c (このIDを非表示/違反報告)
伶(プロフ) - みはさん» 遅くなりましたが、みはさん感想をくださりありがとうございました！読んでいただけてとても嬉しいです★ (2021年7月28日 4時) (レス) id: c4ec9cdaf7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伶
| 作成日時：2020年9月22日 19時
