だからこそ側に_S ページ7
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「………ん……………」
ゆっくり目を開け、眠そうに目を擦る。
疲れきったような表情はそのままで、
涙の乾いた跡が頰に残る貴方。
そんな貴方の瞳に俺が映る。
___情けない俺が。
「………っ…しょおくん、」
「……ん?」
ゆっくり頭を撫でれば、
唇を震わせて俺の名前を口にする。
「…………ごめ…っ……酷いこと言って……」
「謝んないで。悪くない、悪くないから、」
誰が悪いとかないでしょう?
ましてや、闘ってる貴方が悪いなんてありえない。
「…っ………………」
「……っんふ、おいで」
瞳にみるみる水分が溜まる貴方を、
やっとの思いでぎゅっと自分の胸におさめる。
「しょおくん…っ……しょお、く……ごめ、なさ」
「いーよ、いーよ、許すから。もういいから」
「っん………っっ……しょおくん」
「……っふふ……よしよし、大丈夫。大丈夫だから」
必死に謝ってくる貴方に、
心臓を鷲掴みされたように胸が苦しくなって、
声を出して泣き始めた貴方の姿を見て、
側にいる者としてどうしようもない気持ちが
自分の涙としてあふれてしまって。
貴方が見てないことをいいことに、
そうやって俺も一緒になって泣いた。
お互いに涙の原因は違えど、
こうしてぎゅっと離れたくない気持ちは一緒だろう。
だから離さない。
貴方の頑張りを無駄にはしない。
置いて行ったりなんかしない。
「しょおくん…っ……すーぷ…たべる」
「……ん、食べよっか……一緒にね」
「…っん………いっしょに…」
いくら陽が当たらなくったって俺がいる。
そう貴方に思ってもらえるように、
俺は変わらず側にいるよ。
目指すは太陽かな。つって。
いや実は、本気でそう思ってたりして。
「んっ…………いくら吐いても…キスしてくれる」
「…ん?」
「きたないのに。普通だったらいやになるのに、」
「馬鹿だなぁ、好きだらキスすんの、分かった?」
「………はい、…っん…………もう、しすぎ、ふふ」
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伶(プロフ) - 嵐蘭(あらん)さん» ありがとうございます!!ここだけの話ですが、少し先になるとは思いますが続編を書こうかなと思っているので、その時はまたぜひよろしくお願いします✨ (2022年2月20日 13時) (レス) id: 9e9e184764 (このIDを非表示/違反報告)
嵐蘭(あらん) - 滝のように涙が流れる、お話でした。 (2022年2月19日 15時) (レス) @page47 id: 419204c463 (このIDを非表示/違反報告)
伶(プロフ) - stormさん» stormさん、ご感想ありがとうございます!書いてよかったなぁ、と、本当にそう思わせていただける内容で、とてもとても嬉しかったです😭✨潤くんの日常も幸せなんだと、そういう意味も込めて書きました!ご縁があればまたよろしくお願いします✨ (2021年12月19日 11時) (レス) id: c3cf0045bc (このIDを非表示/違反報告)
storm - もう…ボロ泣きです…(涙)素晴らしい作品本当ありがとうございます。嵐の復活が更に楽しみになりました。本当に本当に…何か…写真集見てみたいなぁ…何て思うほどのめり込んでしまいました…ささやかな日常がどれほど大切か改めて思い知らされた気がします。 (2021年12月18日 20時) (レス) @page48 id: 5bdda0872c (このIDを非表示/違反報告)
伶(プロフ) - みはさん» 遅くなりましたが、みはさん感想をくださりありがとうございました!読んでいただけてとても嬉しいです★ (2021年7月28日 4時) (レス) id: c4ec9cdaf7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伶 | 作成日時:2020年9月22日 19時