貴方と、僕と、僕たちと。３

聖なる＿Ｓ ページ29

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「潤、そのツリーの横立って」

「ここ？」

「お、いいね。撮るよー」

「はぁい、ふふ」







ツリーの横で、トナカイの飾りを頭につけた潤と、

レンズ越しに視線が合う。

貴方は満面の笑みで。

サンタのひげ。なんてもんを付けた俺も頬が緩む。







「翔くんも一緒に撮ろ！」

「ぉし、内カメね。慣れたもんよ、……いくよー、」

「うん、ふふ」

「はい、チーズ！」

「ふふっ、どう？撮れた？」

「俺顔デカ！」

「近すぎなんだよー、腕伸ばさなきゃ、ふふ」

「ぁあ、そういうことか」







今日は、貴方が楽しみにしていた12月25日。

クリスマス。






去年は、願い叶わず病室でその日を過ごしたから、

潤はこの日を誰よりも楽しみにしてた。






クリスマスイブなんて名前がついた昨日は

２人で街に出て、

街中のあらゆるイルミネーションを堪能した。









貴方はキラキラした瞳で。









去年は映すことが出来なかった風景を瞳に。

去年は味わえなかったその雰囲気を体に。









めいいっぱい取り戻してるように見えた。








そんな昨日、

このトナカイのカチューシャと、サンタのひげ。

そして、貴方がいま被ってるクリスマス柄の

かわいらしいニットキャップを買った。








「よし、翔くん、ケーキ作ろうー」

「よしきた！今日のメインイベント！」

「ふふ、」







クリスマス当日はゆっくり家で過ごそうって。

２人でケーキも作ろうって。







貴方が考えたプラン。







幸せでしかない。

クリスマスツリーにかわいい貴方。

ぬくいこの家も、俺らの愛で更に気温上昇中。








なんて、

馬鹿みたいなことが頭にぽんぽん浮かんでくる。









「ぁあ、翔くん、そんなに掴んだらクリーム溶ける」

「ぇえ、そうなの？」









やっべー、マジ幸せ。








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