秋空の下_J ページ11
.
あーー、もう、よし。
押し切ろう。
意を決して振り返れば、
俺の服を引っ張ってた正体が。
「…………ん?…」
その正体は小さな男の子。
「どうした?………ぁ、僕、靴は?」
「……くつ、ない…………まま、」
「…ぅお、まじか………迷子?……んと、
ままとはぐれちゃった?」
「ん…?……えんそく…」
「遠足?……ぁ、遠足でここ来た?」
「……まま、……」
まじかぁ。どうしようか。
こんなとこで迷子の少年と出会っちゃったぞ。
不安になってるのか話しも繋がんない。
「よし、とりあえずママ探そっか!」
「うん、まま」
「ほい、おいでっ」
ママなり先生なり、とりあえず探してみよう。
裸足のまま歩き回らせるわけにもいかないから、
抱っこを促してみるけど警戒心の目で観察される。
「裸足で歩いちゃったら怪我しちゃうから、
おじさんが抱っこしてあげるよ?」
ああ、自分で言っといてなんだけど、おじさんかぁ。
「……ぉ、ふふ」
観察が終わって、
無言で抱っこに応じた少年を抱っこする。
後は、ルート決め。
「僕はどっちの方向から来たかな?
こっち?…むこう?……ぉ、こっちか」
こんなに小さい子でも案外重いんだなぁ。
歩き回りながら探してる間、そんなことを思う。
「………いないねえ。……どうしよ、」
30分ほど探し歩いてるけど、それらしき人がいない。
こういう時ってどうしたらいいんだ?警察?
てか、
秋にしてはこんなに厚着してマスクしてメガネして、
下手したら俺が誘拐してるみたいに見えてない?!
そんなことになる前に警察だ、警察行こう。
「っと、その前に、ちょっと休憩しよう」
ベンチに男の子を座らせて、自販機で飲み物を。
落ちたなぁ、体力。
この子の保護者見つける前に、
俺の体力が保ちそうにないぞこれ。
「ぁ、ちょ、こら」
ジュースを静かに飲んでたかと思えば、
たたたっと走り出してしまった男の子。
518人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「病系」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
伶(プロフ) - 嵐蘭(あらん)さん» ありがとうございます!!ここだけの話ですが、少し先になるとは思いますが続編を書こうかなと思っているので、その時はまたぜひよろしくお願いします✨ (2022年2月20日 13時) (レス) id: 9e9e184764 (このIDを非表示/違反報告)
嵐蘭(あらん) - 滝のように涙が流れる、お話でした。 (2022年2月19日 15時) (レス) @page47 id: 419204c463 (このIDを非表示/違反報告)
伶(プロフ) - stormさん» stormさん、ご感想ありがとうございます!書いてよかったなぁ、と、本当にそう思わせていただける内容で、とてもとても嬉しかったです😭✨潤くんの日常も幸せなんだと、そういう意味も込めて書きました!ご縁があればまたよろしくお願いします✨ (2021年12月19日 11時) (レス) id: c3cf0045bc (このIDを非表示/違反報告)
storm - もう…ボロ泣きです…(涙)素晴らしい作品本当ありがとうございます。嵐の復活が更に楽しみになりました。本当に本当に…何か…写真集見てみたいなぁ…何て思うほどのめり込んでしまいました…ささやかな日常がどれほど大切か改めて思い知らされた気がします。 (2021年12月18日 20時) (レス) @page48 id: 5bdda0872c (このIDを非表示/違反報告)
伶(プロフ) - みはさん» 遅くなりましたが、みはさん感想をくださりありがとうございました!読んでいただけてとても嬉しいです★ (2021年7月28日 4時) (レス) id: c4ec9cdaf7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:伶 | 作成日時:2020年9月22日 19時