貴方と、僕と、僕たちと。３

答え合わせ＿Ｓ ページ36

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「ねぇ翔くん、」

「ん？」

「いま忙しい？」

「んーん？どした？」







その日の夜、風呂から上がったタイミングで

何か聞いてほしいことがありそうな潤に呼ばれた。







ソファーに２人で座って。







「しょおくん、あのね、」

「ん？」

「今日、ごめんね？……嵐、抜けるって言って……」

「……いや、あれは……、
潤の気持ちも考えずに俺も怒ってごめん」







ぶんぶんと首を横に振る。

感情のまま怒ったのは申し訳ないけど後悔はしてない。








「……………………これ、」








棚の上に置いてあるカメラ。
潤はそれを手に俺の隣に戻ってきた。








「みんなにも相談しようとは思ってるんだけどね、
このカメラに写ってる写真で…写真集作りたいなって
思ってるんだけど、翔くんどう思う？」


「………写真集？」


「うんっ。入院中の時とか…旅行とか…
闘病中の写真がいっぱいあるでしょ？それをね、
世間の人に見てもらいたいの。俺の姿を公にすれば
休んでた期間俺が何してたのか分かるし、
同じ病気で闘ってる人には諦めないでって
ちょっとでも勇気付けれるものになるかなって」


「……っ……それ、いつから考えてた？」









貴方はカメラロールを見ながら。








「んっとねぇ、……いつだっけ……去年の冬くらい？
写真集のことは嵐に戻るってことよりも先に考えてた」








ああ、ほら。








「……ぇ……しょ、くん……どうしたの、」

「……っん？」








ああ、俺泣いてる？

だからそんな、困った顔。








「な、んで泣いてるの…？……ぇ…しょおくん、」

「…っっ…………」








止まんなかった。







溢れて溢れて零れ落ちる涙が。







そんな俺を、貴方は優しく抱きしめてくれた。

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