月明かりの下で、君と約束をしよう3 (ページ31)

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第百五話ページ31

ドラコside

サクラはまたヒラヒラと飛んで、ベンチに戻った。

そして、僕にくるっと背中を向ける。

『お、驚いちゃったよね...
気持ち悪いよね、こんなこと急に言われても。』

ドラ｢そんな事ない！！とっても、綺麗だ。その姿も。｣

本当に、まるで天使が目の前にいるみたいに、それくらい美しい。

サクラは振り返った。

『嫌いに...ならない...？』

ドラ｢どんな姿でも、君は君だ。そして、僕はそんな君が好きだ。｣

サクラは僕の額に飛びついてくる。

『私、貴方に、嫌われたら、どうしようって...』

ドラ｢嫌う訳、ないだろう。｣

僕とサクラは見つめ合う。

『私、ドラコが好き。』

ドラ｢やっと気づいたのか。｣

月明かりの下で僕は彼女にキスをした。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

『ほら、ちゃんとこれ持って。』

サクラは僕に容器を持たせた。

どうやら、サクラの涙は傷を癒す薬になるらしい。

ぽたぽたと、容器の中に涙が溜まる。

ドラ｢綺麗だな。｣

サクラの頬が真っ赤になる。

僕は優しくサクラの頬をつつく。

ドラ｢照れた顔も、好きだ。｣

『～～～～～～ｯｯ！！

そんなこと言うから、涙もう出ないじゃない！！』

容器に蓋をすると、サクラは僕の肩に座った。

ドラ｢秘密、言ってくれてありがとう。｣

『あんな優しいドラコ、見たことなかった。』

サクラは悪戯っぽく笑う。

ドラ｢き、君限定だ！！｣

サクラは顔を真っ赤にする。

この幸せな時間が、これからも続くといいな。

僕はそう満月に願った。